コラム
» 2009年10月26日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:お得感のトリック “妥当な価格”は幻想? (1/3)

世の中に“誰が見ても妥当な価格”は存在しないというちきりんさん。自分に手が届く価格を“妥当”と思いこみ、様々なストーリーによって、次第により高い値段に妥当性を感じ始める消費者心理と経済成長の関係を考えます。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2007年5月30日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 何かの値段を聞いた時、「高い」もしくは「安い」と感じる個人の金銭感覚には大きなバラツキがあります。収入や資産など経済力の差に加えて価値観の違いもあり、同じ値段でも「高い」と思う人、「安い」と思う人がいます。さまざまな人が持つ“妥当な値段”という感覚。これを考えてみると結構面白い。

 例えば、衣料品やファッション雑貨の価格帯は、きれいにいくつかの「層=レイヤー」に分かれています。

(1)普段は数千円の衣服、雑貨、かばんを買っている人なら、一点2万円のバッグやセーターは高級品に思えるでしょう。

(2)2〜3万円のものは普段からよく買う。でも、5万円を超えると高いと感じ、「ブランド品だから」などと自分を納得させないと買えない、という人もいます。

(3)5〜10万円のものを買うことはよくある。でも30万円を超えるスーツやコートは「高いなあ」と思う人もいる。

(4)ごく日常的に20〜40万円のものを買っているが、「この指輪は200万円です」と言われると、「ちょっと高い」と感じ、買うためには「限定品だから」「記念日のプレゼントだから」といった特別な理由が必要という人たちもいる。

 ここから先の人は数は少ないですが、でも確実に存在していて、

(5)日常的に100万円単位の買い物をする。でも、「この宝石は1000万円」と言われると、「主人に相談してからにしようかな」と思うレベルの人もいます。このレベル以上になると、行きつけのブランド店でお店に入ると、すぐに奥のソファに通され、お茶を出してもらえるでしょう。

(6)買い物をする時に値段なんて見ない人たち。宝石箱には数百万、数千万円の指輪が並んでいるし、着物から置き物まで一級の芸術品。ご主人は数千万円の車に改造費をたっぷりかけて注文し、しかも複数台保有という人です。

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