リッター50キロ以上走る、三菱自動車の「PX-MiEV」とは東京モーターショー2009(1/2 ページ)

» 2009年10月22日 13時23分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 千葉県の幕張メッセで開幕した(一般公開は10月24日〜11月4日)、自動車の祭典「第41回東京モーターショー2009」。各社はこぞって電気自動車(EV)やハイブリッドカー(HV)などのエコカーを展示しているが、今年7月にEV「i−MiEV(アイ・ミーブ)」の販売を開始した(関連記事)三菱自動車はどのようなクルマを出展していたのだろうか。

 →次世代のエコカーとスポーツカーに注目――東京モーターショー2009

補助エンジン搭載のEV

PX-MiEV(ピーエックス・ミーブ)

 三菱自動車が満を持して発売したi−MiEVは現状、法人や個人事業主のみの販売だが、すでに600台の納車を済ませている。2010年度からは個人にも販売を始めるほか、2010年末からは欧州11カ国への出荷を予定。また香港やニュージーランドでも販売を始める予定にしており、「EVの普及をグローバルに加速させ、世界戦略車として展開していく」(益子修社長)方針だ。

 EVのイメージが強くなりつつある三菱自動車だが、2013年にはプラグインハイブリッドカーを販売する。東京モーターショーで展示されていた「PX-MiEV(ピーエックス・ミーブ)」は、“補助エンジン搭載のEV”という位置付けだ。益子社長は「EVの長所を最大限に引き出しながら、EVの課題である航続距離を伸ばすことに成功した。さらに三菱自動車が得意とする四輪駆動の技術を追求し、『環境』と『走る楽しさ』を両立したクルマを提案していきたい」と話した。

3つのモードを自動的に選択

 PX-MiEVは、新開発の「三菱プラグインハイブリッドシステム」を採用したクロスオーバーSUV(乗用車をベースにしたSUV)。新しいプラグインハイブリッドシステムはEVとしての走行をメインとしながらも、必要に応じてガソリンエンジンが発電するというもの。バッテリーの容量や走行状況に応じて、「EVとしての走行」「発電しながらの走行」「エンジンとモーターでの走行」――この3つのモードを自動的に選択する。

 例えば中・低速走行時には、バッテリーの電力によるEVモードで走行。しかしバッテリー残量が低下してくると、エンジンが自動的に始動し発電を開始する。また高速走行時には状況に応じて駆動を加えたり、減速時にはモーターを発電機としたモードに切り替え、バッテリーに充電する。「これにより低燃費を実現し、EVの走行可能距離は50キロ以上(10・15モード)」(説明)としている。


 充電はi−MiEVと同様、家庭用のAC100V/AC200Vによる普通充電と、急速充電の3WAY充電システムを採用。また離れた場所から時間を指定した充電やエアコンが予約できる無線充電予約システムも備えている。満充電まで100Vで14時間、200Vで7時間、急速充電で30分(80%)かかる。

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