普段着は着物 “和”の人気サイトを運営する男の思いとは郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2009年10月22日 08時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

和の暮らしを楽しむブログの良さ

 「和」「暮らし」の検索キーワードでGoogle検索すると、トップから3番目という好位置に表示される「和の暮らしを楽しむブログ」は運営開始から約3年になる。最近のエントリを見ると、「大友昇平さんの極道イラスト」「焼きなこもち」「伝統工芸品とハローキティ」「錦絵」「米沢織りスリッパ」と和が特盛りだ。

和の暮らしを楽しむブログ

 WordPressで自作したサイトは、すばらしく良くできている。トップバナーでサイト内容を紹介し、その下に広告バナー。メインコンテンツとなるエントリは高頻度で更新。右カラムには広告やブログの説明、カテゴリーリストもコンパクトにまとまっていて、タグクラウドも和の用語でいっぱいだ。世間の和ニュースも逐一紹介している。

 ちなみに自宅では、床に2枚の畳を敷き、ちゃぶ台と座椅子を置いた和のポジションでMacBook Proから更新するという。座椅子は旅館にあるようなひじ掛け付きという徹底ぶり。

和は私たちの深層にある

 仕事では携帯サイトを開発しているというからこのあたりのデザインはお手のものなのだろうが、アクセス数が集まる秘密は網羅性と更新頻度、そしてこだわりにある。

 「どうして和なんですか?」

 「最初はブログが続かなくて、ページビューも増えないのでどうしようかと思っている時に、自分の興味があるのが和だと気付いたんですね。そこで、和柄や和のアイテム、和のことを紹介しだしたのが始まりです」

 増田さんが育ったのは、和洋折衷のごく普通の家庭。しかし、盆や正月行事、ひな祭り、端午の節句など、日本の伝統行事を大切にする家庭だったのが、深層にあったと言う。

 コメントが多かったエントリ「世界遺産の熊野古道を着物で歩いたった!」の一場面を紹介しよう。 熊野古道を着物、股引(ももひき)、雪駄(せった)で歩く。スピリチュアルなジャングル古道、たすきがけの姿がばっちり似合っている。

 和の情報を発信するだけではなく、和に関連したプロダクトも開発する。人気の「幕末古写真ジェネレーター」(写真を江戸から明治期の古い写真ぽく加工するソフト)や「古民家スポットコミュニティ ふるみる」(全国の古民家スポットを教え合うサイト)などは、PHPとJavaScriptを駆使して開発した。システムと和、とことん突き詰めるのが増田さん流である。

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