米国株高や業績回復期待から堅調だが先行き懸念も根強く上値も限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年10月20日 15時54分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は堅調、決算に対する期待や商品市況の動向などにも素直に反応しているのですが、日本市場は相変わらず上値の重い展開となっています。朝方市場筋推計として伝えられる外資系証券経由の外国人売買動向も本日は大幅買い越しと伝えら得たのですが、相変わらず上値の重い展開となりました。為替への懸念はあるものの、半導体関連銘柄などは業績の改善も期待されるのですが、堅調なことは堅調ですが盛り上りに欠ける展開となっています。

 機械株や半導体株なども経済政策の効果もあり、また新興国の需要増大もあって業績が回復傾向にあるのですが、輸出よりも内需といいながら具体的な内需振興が示されておらず、足元の業績回復のトレンドが続くのかどうか疑心暗鬼で積極的に買い切れないということなのでしょう。決算発表もこれから始まりますが、順調な回復のトレンドを続け、回復がはっきりとするまでは予算の停止などはするべきではないと思います。とにかく、今はこの景気回復の世界的なトレンドに乗ることが大切であり、トレンドからはずれないようにすることが大切なのではないかと思います。

 村田製作所(6981)が海外での生産比率を上げるというニュースや小売り業がアジアを中心に盛んに海外へ進出しているのも、国内では「稼げない」ということであり、その中で「内需拡大」を図るのであれば、単なるバラマキではなく、国内での消費に結びつくような施策が必要ということでしょう。また、先が見えないことが一番の不安なのですから、予算の凍結などと言っていったん止まるようなことをせずに走りながら次の施策を示していくべきで、そうすれば企業も安心して投資が出来、雇用も増え、収入も増えて内需拡大に結びつくのではないかと思います。

 何だかんだといって、やはり海外でうまく稼いでいるような企業が業績回復のスピードも早く、政策の方向が見えないところでは敬遠されていますが、最後は見直されてくるのでしょう。また、公共事業抜きの内需拡大ということですから、環境関連の内需株、あるいは個人主導の内需拡大ということでは住宅株などが中心になってもおかしくはないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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