コラム
» 2009年10月20日 11時18分 UPDATE

松田雅央の時事日想:ドイツ流ごみの捨て方……そのメリットとデメリット (1/2)

日本とドイツで、粗大ごみの出し方に違いはあるのだろうか。筆者が住んでいる街では粗大ごみの日になると、使えそうなものを目当てに人が集まり、その一帯はさながら「無料のガラクタ市」となるそうだ。今回の時事日想は、日本とは異なるドイツ流粗大ごみの出し方を紹介する。

[松田雅央,Business Media 誠]

松田雅央(まつだまさひろ):ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。東京都立大学工学研究科大学院修了後、1995年渡独。ドイツ及び欧州の環境活動やまちづくりをテーマに、執筆、講演、研究調査、視察コーディネートを行う。記事連載「EUレポート(日本経済研究所/月報)」、「環境・エネルギー先端レポート(ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社/月次ニュースレター)」、著書に「環境先進国ドイツの今」、「ドイツ・人が主役のまちづくり」など。ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)会員。公式サイト:「ドイツ環境情報のページ


 筆者の住む街には、半年に一度の「粗大ごみ収集日」がある。収集日は地域ごとに定められ、筆者の住むJollystr.(ジョリー通り)ならば9月15日が直近の収集日だった。収集は早朝から始まるため、ごみを出すのは前日の午後。ごみ出しが始まると、使えそうなものを目当てにどこからともなく人が集まり、一帯はさながら「持ち去り自由のガラクタ市」となる。

 今回は日本とは異なるドイツ流粗大ごみ収集とリサイクルの様子をレポートしたい。

yd_matuda1.jpg 粗大ごみ収集日前日。まだまだ使えそうな家具が多い

「良い家具を長く使う」は過去の話

 粗大ごみ収集日に出されるのは家具が中心だ。クローゼット、ベッド、マットレス、机、いす、カーペットなど。このほか冷蔵庫、テレビ、洗濯機といった白物家電も目立つ。これらのごみは収集日を待たず公営のごみ収集所へ持って行くこともできるが、ほぼすべての住宅に地下倉庫があるため、急ぎでなければそこに溜めておき半年に一度思いっきり吐き出すことになる。

 多くの日本人が持つドイツ人のイメージに「良い家具を数十年、時には世代を超えて使い続ける」というものがある。確かに昔はそうだったのだが、時代は移り状況はだいぶ変った。インテリアの流行サイクルが早くなったことや、世代を超えて使える高級家具よりも10〜20年程度使えれば十分というリーズナブルな家具が主流になったことにより、捨てられる家具は増加傾向にある。

yd_matuda2.jpg 学生寮前に出された粗大ごみ

粗大ごみは宝の山!?

 学生や低所得者層にとって、粗大ごみ収集日はまたとないチャンスだ。

 筆者が前回の収集日に出したごみも、めぼしい物は驚くべきスピードで姿を消した。不必要になったコーヒーメーカーは待ち構えていた中年女性に奪い取られ、キッチンで使うタイヤ付きの小さなワゴンは2人の女性の奪い合いとなる始末。ごみ出しの最中、父親と一緒に来た中学生くらいの男の子から「何か家電製品はない?」と聞かれたときは、さすがに複雑な気分になった。先進国と言われるドイツで、粗大ごみにこれだけの人だかりができることに正直なところショックを感じる。

 掘り出し物探しに躍起となるのは素人ばかりではない。小型トラックで金物を探す金属回収業者や、大型のワゴンで乗りつけ家具を集める再生業者もいる。再生家具がそうそう高値で売れるとは思わないが、収集地区では決まって数台のワゴンを見かけるから悪い商売ではないのだろう。

 ちなみに、粗大ごみの収集は市清掃局が行い料金は無料である。

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