米国株高を受けて大幅高だが最後まで買いは続かず上値も限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年10月15日 15時55分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅高となり、心理的な節目である10000ドルを抜けて来たことから、日本市場も大幅高となりました。ただ、節目と見られる10200円台半ばでは上値を押さえられ、決算発表の本格化を前に買い気の乏しさを示す結果となりました。ほぼ全面高となったのですが、早め早めに利益確定売りも出て、物色対象も絞り切れず相場のけん引役がみあたらず、上値も、戻りも盛り上がらないものと思います。

 ようやく米国株高に反応する動きとはなりましたが、最後まで買い切れないところがやはり気になります。政策の方向性が見えないとか決算発表を控えているなどと買わない理由は探せるのですが、海外の動向に比べて出遅れ感が強いような気がします。株は買われれば売られ、売られれば買われるということを考えると目先的な動きにばかり右往左往しても仕方ないことはわかるのですが、どうしても目先的な動きばかりが気になってしまいます。

 この1年の大きな流れをもう一度ここで考えて見てもいいのではないかと思います。昨年の今頃は買っても買っても下がるという状況で買い気に乏しいこととなりましたが、逆に考えると3月に同等の安値はあったものの、昨年の10月に買い下がっていれば、それなりにこの1年間は儲かったのではないかと思います。それを考えると現状のような買い気に乏しいところはむしろ買い場ということになるのかもしれません。

 企業業績の回復が期待され、どこまでこり込まれているかなどが気にはなるのですが、何処まで織り込まれていようが業績回復を買いに行くのであれば、もたついたところで買っておけばいずれは日の目を見るのではないかと思います。政策の方向が見えないことで買えないのであれば、逆に買い場ということになるのでしょう。少し長い目で見れば「人の行く裏に道あり花の山」ということなのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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