経済指標や好調な決算を受けて大幅高、ダウ平均は1万ドル回復清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年10月15日 08時29分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10015.86△144.80

<NASDAQ>2172.23△32.34

<為替:NY終値>89.3-89.36

予想を上回る経済指標や好調な決算を受けて大幅高、ダウ平均は10000ドル回復

 昨日の引け後にインテルが予想を上回る決算を発表したことや朝方発表されたJPモルガン・チェースの決算も予想を上回ったことに加え、小売売上高が前月比でマイナスとはなったものの、予想を上回り、好材料に素直に反応する展開となり大幅高となりました。午後にはFOMC(公開市場委員会)議事録要旨が発表されましたが、その中でほとんどのメンバーが下期と来年の経済見通しを上方修正し、商品市況も景気回復期待もあって堅調となり、好材料が多かったことで、相場を大きく押し上げることとなりました。

 景気回復を確認するような経済指標や企業業績が示され、金融当局も楽観的な見方をしているにもかかわらず、住宅ローンの焦げ付きなどへの対処も考えているということなど、「先」が見えて来たことで不安が薄れ、株式市場にもしっかりと資金が流入しているようです。今後も決算発表の動向を見ながら景気回復度合いを測るような展開となって来るのでしょうが、センチメントが上向いていることで、好材料には敏感に、悪材料には鈍感に反応するような動きとなるのかもしれません。

 個別にはJPモルガン・チェースは予想を上回る決算を発表して大幅高、連れてバンクオブアメリカなど金融株が軒並み大幅高となりました。キャタピラーやデュポンなどの景気敏感株も大幅高となり、原油価格が高いことからシェブロンやエクソンモービルも堅調となりました。インテルも予想を上回る決算を好感して買われましたが、既に買われていたこともあり、上値も重くなりました。ジョンソンエンドジョンソンは軟調、前日の大幅高の反動、利益確定売りに押されてホームデポやウォルマートは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米インテルの好決算を受けて買い先行で始まったものの、上値が重く、前日までの持高調整とは反対の動きとなり、輸出株が売られ、内需株が買われるなかで指数の方向感はなく、小動きとなりました。為替動向や米国市場動向とは関係のないところで目先的な需給に振らされる展開で売り買いも限定され、大きな動きとはならなかったものと思われます。

 米国市場が大幅高となったことで、日本市場も上値を試すような展開となって来るものと思います。米国企業の業績が好調ということで日本企業にも連想が働き、これから始まる決算を期待する動きもあるのでしょう。銀行株やディフェンシブ銘柄が売られすぎの修正や持高調整の売り一巡から買われ、ハイテク銘柄などは業績上振れ期待から買われると、指数も底入れ感が強まるのではないかと思います。先行きへの不安が薄れ、腰の据わった買いが多少でも見られるのかどうかが注目されます。

 上値の節目と見られる10100円台半ばから200円台半ばを引き続き試す展開となりそうです。為替が対ユーロでは円安となっており、米国株高と合わせて好材料として取りざたされて堅調な展開が期待され、上値の節目を試すことになるのでしょう。持高調整の売り買いが中心のなかで決算に期待する動きから買戻しなどを急ぐ展開となれば、上値の節目を抜ける可能性もありそうです。下値は10000円を割り込まずに底堅さが見られたことから、引き続き10000円を意識するようなところでは買い戻しや押し目買い、出遅れ銘柄の物色などがあるものと思います。

本日の注目点

◇10月の金融経済月報(日銀)

◇8月の鉱工業生産指数確報(経産省)

◇9月の米消費者物価指数

◇決算・8月期:サンエー・インターナショナル(3605)

◇決算・3−8月期:松屋(8237)、ドトール・日レスHD(3087)、東宝(9602)

◇決算・7−9月期:米ゴールドマン・サックス、シティグループ、IBM、グーグル、サウスウエスト航空、フィンランド・ノキア、スイス・ロシュ

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