米インテルの決算への反応も鈍く、目先の需給に振り回されて方向感なく小動きの展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年10月14日 17時12分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10060.21円 ▼16.35円
売買高 21億8659万株
日経平均先物 10080円 ▼10円
売買代金 1兆4876億円
TOPIX 894.34 ▼7.06
値上がり銘柄 533銘柄
東証マザーズ指数 441.02 ▼2.54
値下がり銘柄 1031銘柄
日経ジャスダック平均 1213.20円 ▼3.63円
変わらず 124銘柄
騰落レシオ 78.62% △1.41%

日経平均

米インテルの決算への反応も鈍く、目先の需給に振り回されて方向感なく小動きの展開

 米国市場の引け後に注目されたインテルの決算が発表され、予想を上回る決算となったことから、半導体関連銘柄を中心に買い先行となりました。ただ、寄り付きの買いが一巡した後は昨日までの持高調整の反動から輸出関連銘柄や金融株が売られ、指数の上値の重さを嫌気する動きや外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しとなったことなどから、売りが優勢となり、軟調となりました。昨日まで持高調整の売りに押されていたディフェンシブ銘柄や内需株の一角が堅調となり、指数を下支えして底堅く、指数は方向感なく小動きとなりました。

 後場に入っても引き続き為替動向などを気にするというよりは目先の需給ばかりを気にする展開が続き、前場同様に今日は輸出株売りの内需株買いの昨日までとは反対の動きで指数は小動きとなりました。先物のまとまった売り買いもほとんど見られず、日銀の金融政策決定会合の金融政策の発表もほとんど影響はなく、狭い範囲での動きが続きました。引けを意識する時間帯には持高調整を急ぐ動きもあり、前日比プラスとなる場面もありましたが、最後は売り買い交錯して小幅安の引けとなりました。

 小型銘柄も買い気に乏しい展開で見切り売りや利益確定売りに押されるものが多く、東証マザーズ指数は小幅安、二部株指数や日経ジャスダック平均は軟調となりました。先物はまとまった売り買いはほとんどなく、散発的にまとまった売り買いが見られても追随する動きはなく、終始方向感のない展開の中で目先筋の売買が中心となっていました。先行きに対する見通しというよりは単に目先的な小掬い商いに勤しむといった状況でした。

 指数は相変わらず方向感のない展開となっています。10150円から200円水準の節目を抜けて押し目を確認するにも、あるいは9500円から600円、その前の段階で9800円の節目を割り込むにも、中間決算の動向などを見極めたいということで動きが取れない状況なのでしょう。また、為替などへの反応が鈍く、目先の需給に振り回される展開が続いており、「先」が読めないということも売り買い共に手控えられる要因となっており、加えて、新政権の政策の方向性もはっきりと見えてこないことで混乱に拍車をかけているのではないかと思います。決算動向や政策の方向性がはっきりとするまではもみ合いが続くのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 昨日に続き基準線に上値を押さえられています。RSIは下げ足りなかったのですが、上昇を示唆、ストキャスティックスも高値圏にあるのですが、上昇余地もあり、底堅さも見られます。明日も基準線を抜け切れないとストキャスティックスが高値圏にあることからいったんは雲の下限でのサポートを確認するようになるのでしょうし、基準線を抜ければ基準線のサポートを確認することになるのでしょう。いずれにしてもRSIに上昇余地があり、底堅い展開は続きそうです。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が雲に上値を押さえられるように軟調となりました。RSIは上昇に転じたところで上昇余地も大きいのですが、ストキャスティックスが高値圏にあり、いったんは転換線あたりでの押し目を確認するような動きになるのかもしれません。一気に基準線を抜けるような動きになれば上値が重くなっても底入れ確認となるのでしょう。

円相場

NYダウ

 基準線を意識して上値が重くなっています。まだまだ基準線の下落も続くので引き続き上値の重い展開となるものと思います。一方でRSIやストキャスティックスは下げ足りなかった感じもあるのですが、底値圏からの反発となっており、底堅さも見られるものと思います。基準線の下落が止まるあたりで基準線を抜けて底入れ感が出てくるのかもしれません。

銘柄ピックアップ

昨日までの反対で高かったものが安く、安かったものが高い

住友鉱(5713) 1589 △22

 昨日までと反対の持高調整の動きから、買われていたものが売られるケースが多かったのですが、海外で金価格が高く、最高値を更新したことを好感して買われ、利益確定売りをこなして堅調となりました。

エルピーダ(6665) 1224 △4

 米半導体大手インテルの決算が予想を上回ったことや台湾での生産・開発体制を強化すると新聞で報じられたことを好感して買われ堅調となりました。半導体関連銘柄が総じて軟調となるなかで、買える銘柄として持高調整の売りをこなしたものと思います。

積水ハウス(1928) 767 △13

 特に材料が出たわけでもないのですが、持高調整の売りが一巡したところからの買戻しが優勢となり、新政権の「内需拡大策」への期待もあって堅調となりました。一時大幅高となる場面もあったのですが、特に材料が出たわけでないことから、目先的な買戻しが一巡した後は上値も重くなりました。

JSP(7942) 860 △100

 昨日の引け後に2010年3月期の連結純利益が従来予想を大幅に上回ると発表されたことから買いを集め、ストップ高となりました。薄型テレビのディスプレー向け帯電防止フィルムや緩衝材などの需要が回復したことから収益が改善、業績面からの割安感も強く、買いが集まりました。

TOWA(6315) 747 ▼66

 前日の引け後に2009年4−9月期の連結最終損益を下方修正、昨日までの上昇の反動もあって大幅下落、一時ストップ安まで売られました。受注競争の厳しさを思い知らされたことで嫌気する売りがかさみました。

青森銀(8342) 271 ▼3

 4日続落、連日の年初来安値更新となりました。昨日の引け後、公募増資の発行価格が264円と発表され、サヤ寄せする格好となりました。公募増資を発表して以来、株式価値の希薄化懸念から売りが続き、加えて金融株全般に売り急ぐ動きもありましたが、買戻しも入り底堅さも見られました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.