高値警戒感で上値が重く、決算発表の本格化を前に指数は小動き清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年10月14日 08時54分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9871.06▼14.74

<NASDAQ>2139.89△0.75

<為替:NY終値>89.7-89.76

高値警戒感で上値が重く、決算発表の本格化を前に指数は小動き

 さすがにダウ平均が10000ドルの心理的な節目を意識するところでは上値も重く、利益確定売りを急ぐ場面も見られます。それでも芳しくない決算や投資判断の引き下げがあっても売られる銘柄は限定的となって、底堅い展開となり、押し目ではしっかりと買戻しを交えた買いが見られ、大きく崩れることはありませんでした。引け後にインテルの決算発表を控えていたことで、様子見気分が強く売り急ぐ動きも買い急ぐ動きもなく小動きとなったものと思います。ここのところ、芳しくない経済指標の発表が多いのですが、個別企業の決算は比較的好調と見られており、指数も強含みの推移となっています。

 景気回復が企業業績に反映されているのかどうか、決算の発表が本格化するところで、神経質になっているような感じです。ただ、商品市況なども堅調となっていることで、資金の回転は良く、市場のセンチメントが上向いていることで、好決算には素直な反応となって来るのではないかと思います。芳しくない経済指標が多かっただけに逆に好決算を織り込みかねており、素直な反応が期待されます。芳しくない決算を発表しても周りへの影響も限定されており、市場全体としては、今後も決算動向に一喜一憂しながらも堅調な推移となって来るのではないかと思います。

 個別には注目されたインテルの決算は予想を上回り時間外取引で大きく買われ、52週高値を更新しました。システム開発会社の買収を発表したシスコシステムズは堅調、原油が堅調なことからシェブロンやエクソンモービルも高く、景気回復期待からホームデポやウォルマートも堅調となりました。一方、売上高が予想に届かなかったジョンソン・エンド・ジョンソンが軟調、投資判断の引き下げのあったゴールドマン・サックスが売られ、バンクオブアメリカやJPモルガンチェースなど金融株が軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 連休明けの日本市場は米国市場が堅調となっていたことや商品市況が堅調なこと、また為替も円安に振れたことから買い先行となりました。ただ、外国人が売り越しと伝えられたことなどもあり、上値の重い展開となりました。後場寄りにはまとまった買いも見られたのですが後が続かず、結局は持高調整の売り買いが中心であることには変わりなく、堅調ながらも上値の重い、盛り上がりに欠ける展開となりました。

 米国市場はまちまちとなりましたが、引き続き商品市況が好調なことや引け後に発表されたインテルの決算が予想を上回ったことなどから、日本市場も堅調な展開が期待されます。特に指数に影響の大きな半導体関連銘柄が堅調となり指数を押し上げる場面もあるのではないかと思います。原油や金が堅調なことから非鉄株や商社株なども堅調となるのではないかと思います。鉄鋼株なども市況の好転を引き続き好感する動きにはなるのでしょうが早めの利益確定売りに押される場面もありそうです。ディフェンシブ銘柄に買戻しや値ごろ感からの買いが入れば指数も底入れ感が強まり、堅調となるのでしょう。

 日経平均は10100円台の上値の重さを確認するような展開になりましたが引き続き10100円台半ばから200円台半ばまでの節目を試す展開となりそうです。値がさハイテク銘柄などは為替が落ち着いていることや米半導体株高が期待されることから堅調となりそうで、指数を押し上げるのでしょうがディフェンシブ銘柄が反発となるなど「全面高」とならないと上値の節目である10100円台半ばから200円台半ばの水準を抜けることは厳しそうです。ただ、下値も10000円を割り込むようなところでは買戻しを急ぐ動きなどもあり、底堅さも見られるものと思います。いずれにしてもまだまだ目先の需給だけで指数が振らされるものと思います。

本日の注目点

◇白川日銀総裁会見

◇9月の企業物価指数(日銀)

◇9月の消費動向調査(内閣府)

◇米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(9月22−23日分)

◇9月の米小売売上高

◇決算・8月期:ビックカメラ(3048)、島忠(8184)

◇決算・3−8月期:松竹(9601)、アデランスHD(8170)

◇決算・7−9月期:米JPモルガン・チェース

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