米国株高や円安を好感、持高調整の買戻しを急ぐ動きで大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年10月09日 16時21分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10016.39円 △183.92円
売買高 20億9383万株
日経平均先物 10010円 △150円
売買代金 1兆5929億円
TOPIX 897.83 △10.24
値上がり銘柄 1018銘柄
東証マザーズ指数 442.37 △5.14
値下がり銘柄 528銘柄
日経ジャスダック平均 1212.47円 △7.90円
変わらず 136銘柄
騰落レシオ 70.35% △0.92%

日経平均

米国株高や円安を好感、持高調整の買戻しを急ぐ動きで大幅高

 米国株高やオプションSQ(特別清算指数)算出に伴う買いから買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が大幅買い越しと伝えられたこともあり、朝方発表された機械受注統計が予想を下回ったにも関わらず買いが優勢となりました。その後も為替が円安に振れたといってもまだまだ円高の水準であり、3連休を控えた週末にもかかわらず持高調整と見られる買戻しや先物のまとまった買いが入り、寄り付きの買いが一巡した後、いったん上値の重い展開となったものの、買い直されて一時大幅高となるなど堅調な地合いが続きました。

 後場も寄り付きからしばらくは戻り売りや週末のヘッジ売りなどに押されて上値の重い展開となっていたのですが、先物に仕掛け的なまとまった買いが入ると一気に上値追いとなり節目と見られた9900円台半ばまで上昇、心理的な節目である10000円を窺うような展開となりました。その後も目先筋の買戻しなどもあって高値圏でのもみ合いが続き、最後まで先物の買いが続いてヘッジ売りをこなし、心理的な節目である10000円を越えて、特に材料がない中で大幅高、高値引けとなりました。外部環境に関係のないところで目先の需給で大きく上昇したことで今一つ盛り上がりには欠ける展開でしたが、指数は最後まで堅調でした。

 小型銘柄も堅調となりました。ただ、小口の手仕舞いうりなどもあって上値も限定的となり、東証マザーズ指数こそ大幅高となりましたが、二部株指数や日経ジャスダック平均は堅調というに止まりました。先物は散発的ではあるのですが、まとまった買いが入り、買戻しを急ぐ動きもあって指数を押し上げる要因となっていました。3連休を控えた週末ということでヘッジ売りなども多いと思われましたがそれ以上に買戻しを急ぐ動きがあったものと思います。

 今週は結局最後まで持高調整の売り買いのなかで買戻しが優勢、大幅高となりました。来週の日銀金融政策決定会合を控えて金融緩和の出口論が出てくる前に手仕舞うということなのかもしれません。今週は底堅さが確認されたことで来週も強含みの展開が期待されますが、米国での決算発表もあり、もう一度為替の影響や足元の業績を見直すような動きになるのかもしれません。業績や金利、為替に関係のないところでの動きはそろそろ一段落となって来るのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 雲の中に突っ込んで来ました。RSIが下げ切っていないのですが、ストキャスティックスは底値圏からの反発であり今月初めに空けた「窓」を埋める格好となりました。いったんは基準線を意識したところと言うことや「窓埋め完了」ということで戻りも一服となる可能性もありそうです。雲の下限にサポートされて雲の中での動きとなるのか、まだ雲に上値を押さえられた格好となるのか、連休明けの相場で来週の方向が決まりそうです。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が雲の水準まで戻り、日々線も「窓埋め」となっていったんここで上値も重くなり、戻りも一服となるのかもしれません。ストキャスティックスは底値圏からの反発で堅調となっていますが、RSIが下げ足りなかったことで、まだ下値を探る動きとなるのかもししれません。

円相場

NYダウ

 引き続き下値を探る展開となっています。RSIもストキャスティックスもまだ下値余地はあるのですが、水準は低く、そろそろ反発となって来るものと思われます。移動平均や基準線との乖離もいっこうに縮まらず、売られすぎ感もあり、底堅さが確認されるといったん基準線あたりまでの戻りを試す動きとなって来るのでしょう。

銘柄ピックアップ

商品市況高から非鉄株や商社株などが堅調

信越化(4063) 5410 △100

 太陽電池や半導体に使うシリコン原料を増産すると新聞で報じられ、収益拡大を期待する買いが入り堅調となりました。シリコン原料は採算性が高く、収益拡大が期待されました。

ファーストリテイ(9983) 13200 △260

 昨日の引け後に2010年8月期の連結純利益が前期比25%増になる見通しと発表、収益上振れを好感する買いが入り堅調となりました。9月の月次売り上げの大幅増を好感して買われたあと調整となっていたこともあり、買い直されました。

住友鉱(5713) 1564 △34

 買い気配から始まり堅調となりました。米国市場で金先物価格が連日の最高値更新となっていることを好感した買いが入りました。昨日、持高調整の売りに押されていたことの反動もあったものと思います。

ユニオンツール(6278) 2740 △20

 昨日の引け後に2009年11月の連結純利益の従来会社予想からの下方修正を発表、市場予想も同水準であったことから意外感もあり見切り売りがかさんで大幅下落となりましたが、持高調整の買戻しも入り結局堅調となりました。

J T(2914) 272100 ▼7700

 新政府の税制調査会の会合でタバコ税増税が検討されたと伝えられ、「たばこ離れ」を嫌気した売りに押されて軟調となりました。ディフェンシブ銘柄の持高調整の売りも下げ幅を広げる要因となりました。

トヨタ紡織(3116) 1869 △88

 新興国での収益が拡大、2011年3月期には日米の損益も黒字化することから外資系証券が投資判断を2段階引き上げ、目標株価も大幅に引き上げたことから買われ、大幅高となりました。

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