好材料が重なった割りには過熱感があって上値も重い清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年10月09日 08時36分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9786.87△61.29

<NASDAQ>2123.93△13.60

<為替:NY終値>88.38-88.44

好材料が重なった割りには過熱感があって上値も重い

 前日引け後に発表になった企業決算が予想を上回ったことや新規失業保険申請件数は予想を下回って雇用の改善が見られ、小売り各社の9月の既存店売上高が予想に反して増加するなど好材料が目白押しとなり買い先行で始まった後も堅調な展開となりました。ただ、さすがに今週は景気回復期待や商品市況の好転を好感して上昇となっているだけに高値警戒感や目先的な過熱感もあり、利益確定売りや戻り売りに押されて上値も重くなりました。金が連日の最高値を更新、原油価格も上昇するなど商品市況も引き続き堅調となり相場を押し上げる要因となりました。

 好材料が揃っていた割りにはさすがに上値も重くなりました。ただ、市場のセンチメントも上向いており、今後の個別企業の決算動向をにらみながらの動きとはなるのでしょうが、堅調な地合いが続くのではないかと思います。経済指標が芳しくなかったのですが、個別企業の業績の回復は期待されており、米国内での個人消費や雇用に改善傾向が続けば、一段と上昇することになりそうです。商品市況が引き続き堅調となっているこことでリスク許容度も増しているものと思われ、資金の流れも順調ということで、相場上昇の要因となりそうです。

 個別には前日の引け後に予想を上回る決算を発表、目標株価の引き上げもあってアルコアが買われ、朝方発表された7−9月決算で売上高が予想を下回ったペプシコは軟調となりました。既存店売上高が予想を上回ったターゲットやメーシーズといった小売り株が高く、アメリカンエクスプレスやホームデポなど個人消費関連の銘柄が堅調となりました。投資判断の引き下げのあったウェルズファーゴなど銀行株の一角が軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は相変わらず方向感のない展開となりました。円高にも関わらず輸出株が買われるなど引き続き持高調整の売り買いが中心で外部環境やファンダメンタルズには関係のないところでの動きで、目先的な需給に振らされている格好です。先物の仕掛け的な動きにも追随することもなく、堅調ではあるのですが、方向感のない展開となっています。

 米国株が堅調となったのですが、日本市場は朝方発表される機械受注の動向にも左右されそうです。また、オプションSQ(特別清算指数)算出ということもあり、ディーラーなどの思惑が絡んで寄り付きは波乱含みとなる可能性があります。寄り付き後は3連休を控えているということや持高調整の売り買いも一巡して来る可能性も高く、手仕舞いの売り買いが中心となりそうです。ここまで堅調となっていた輸出関連銘柄や金融株などには利益確定売りが、売られていた内需株、ディフェンシブ株などは買い戻しが入る所謂「リターンリバーサル」のような形となる可能性もありそうです。

 節目と見られる9800円から900円水準を試すことになるのでしょうが、米国株が堅調といっても3連休を控えた週末であり、為替動向も気になるところで、積極的には買い上がり難いのではないかと思います。したがって、次の節目と見られる10150円や250円まで上昇となることはなく、逆に9800円台を固める動きとなるか、それとも再び下値である9500円から600円の水準を試すような格好で、9800円水準の上値の重さを試すことになるのかもしれません。為替が比較的落ち着いているので売り急ぐ動きはないと思われ、底堅さも見られるのでしょうが、引き続き目先的な需給に振らされながらのもみ合いが続くものと思います。

本日の注目点

◇8月の機械受注(内閣府)

◇8月の特定サービス産業動態統計速報(経産省)

◇8月の米貿易収支

◇決算・3−8月期:高島屋(8233)、ダイエー(8263)、オンワードHD(8016)、歌舞伎座(9661)

◇決算・7−9月期:印インフォシス・テクノロジーズ

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