米国株もまちまち、円高の割りには底堅く、方向感のない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年10月08日 16時12分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 相変わらず市場参加者が増えず、堅調ながらも盛り上がりに欠けるさえない展開となっています。米国市場にも為替にもほとんど影響されない動きとなって、目先的な持高調整の売り買いが指数を振り回しているような感じです。買戻しが入れば高く、手仕舞い売りや見切り売りが出ると安いという格好で「何を見て売り買いすればいいのかわからない」と言うような声も聞こえてきます。結局は最後もオプションSQの思惑もなく方向感のない展開となりました。政策の方向性が決まらないと手を出し難いということなのでしょう。

 毎日目先的な需給に振り回されていますが、先行きに対する楽観的な見方も悲観的な見方をするにもどちらも是といった決定的な材料に乏しいということでしょう。新政権は「内需振興」「円高容認」と見えるのですが市場での反応は必ずしもそうした方向ではなく、先を見据えた投資がし難くなっているのでしょう。新政権の方向性は内需であり、個人であることから個人がお金を使うことによってメリットのある銘柄などが有利となるかと思うのですが、住宅株は売られ、小売り株の相場も長続きせず、いったん手を出してみても次の一手が出てこないということなのでしょう。

 ここは政策の方向性、内需拡大、個人の生活重視と言う方向性を信じれば、円高になってコストが下がり、低価格で質のいいものを提供してくれる企業に注目してもいいのでしょう。そして、個人の生活重視と言うことであれば今度の補助制度などを期待して、CO2削減する「エコ」住宅や「エコ」家電なども注目されるかもしれません。ただ、そうした銘柄も「動き始めてからで良い」ということで、誰かが猫の首に鈴をつけるまで動けないということなのでしょう。

 持高調整の売り買いで振り回されていますが、もう一度じっくりと「環境」や「内需」などと言った「キーワード」で銘柄を選別しておき、持高調整の売りなどで業績や材料に関係ないところで売られる場面で買うということでいいのではないかと思います。また、業績や外部環境、そして材料などと関係のないところで持高調整の買戻しで上昇しているような銘柄も売り向かってもいいのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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