景気回復期待、商品価格高を受けて連日の大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年10月07日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9731.25△131.50

<NASDAQ>2103.57△35.42

<為替:NY終値>88.81-88.87

景気回復期待、商品価格高を受けて連日の大幅高

 特に注目されるような経済指標の発表や決算発表などがない中で、金価格が史上最高値を更新するなど原油を含めて商品市場が堅調、景気回復の表れとして株式市場も買い優勢となりました。目先的な押し目を確認したこと、節目と見られる水準を割り込まなかったことなどから買戻しを急ぐ動きもあり、大きな上昇となりました。信用収縮懸念も払拭され資金の回転が効いているということで逆に金融機関に対する懸念も薄らぎ、好循環となっているものと思われます。ドル安も特に警戒されておらず、「ドルキャリー取引」の効果もあるようです。

 ドルが売られ、商品価格が上昇となると株が売られることもあるのですが、今回は資金の好循環となって景気回復を裏付けるものとの見方となっています。実際に経済指標は芳しくないものが多く見られたのですが個別企業の業績はしっかりと回復しており、米国内の個人消費や雇用への懸念で経済指標が芳しくなくても、新興国などの景気回復から世界経済の拡大の恩恵もあるグローバル化した企業の業績は回復しており、それを評価する動きとなっているものと思います。まだまだ決算の発表が本格化してくる中で予断は許せないのでしょうが、雰囲気は良くなっています。

 個別にはダウ採用30銘柄は全て高く、業種に偏りは特になく、アルコアを筆頭にインテル、JPモルガンチェースなどの上昇が大きくなっていました。また原油高や金の上昇を受けてエクソンモービル、シェブロンといった石油株、ニューモント・マイニング、パブリックゴールドといった鉱山株に大幅高となるものが見られ、携帯電話大手と提携を発表したグーグルも高くなりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高などを受けて買い先行で始まったものの、持高調整の売り買いが見られるなかで上値も重く、軟調となる場面もありました。外国人も売り越しと伝えられたこともあり、終始上値の重い展開となりました。銀行株や不動産株、輸出株や資源株に買い戻しが入って堅調、ディフェンシブ銘柄や建設株などが、見切り売りなどもあって軟調となりました。

 米国株高、商品高ということでさすがに日本市場も堅調な展開が期待されます。ただ、為替が円高に振れたことで輸出企業なども買い戻し一巡後には上値も重くなってしまいそうです。それでも、資源株や非鉄株などの水準訂正は期待され、素材株なども買われるのではないかと思います。明日のオプションSQ(特別清算指数)算出を控えて持ち高を増やし難い中で内需株やディフェンシブ銘柄にどこまで買いが入ってくるかが注目されます。昨日は持高調整の売りに押された感も強く、本日もそうした売りが続くのかどうかで戻りを試すのか上値が重いのかが決まるのでしょう。

 節目と見られる水準である9800円を目指す動きとなりそうです。ただ、円高と言うことで指数に影響の大きな輸出関連銘柄などの上値が重くなると9800円を抜け切れずに上値の重さを嫌気するようなことになるのでしょう。銀行株などへの買戻しが続けば指数の下支えになり、また、円高メリットのある小売銘柄などが買い直されて指数を押し上げることになるのかもしれません。下値は9600円水準では底堅さも見られ、円高を嫌気する動きがあっても底堅さは見られるものと思います。

本日の注目点

◇8月の景気動向指数(内閣府)

◇4−6月期のユーロ圏GDP改定値

◇9月の台湾貿易統計

◇決算・3−8月期:パルコ(8251)、エービーシー・マート(2670)、イズミ(8273)、天満屋ストア(9846)、丸久(8167)

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