コラム
» 2009年10月07日 08時00分 UPDATE

フリーペーパーが苦戦している理由と……生き残る方法 (1/3)

全国的に、フリーペーパーの減少に歯止めがかからない。駅の構内やコンビニなどで“あふれていた”フリーペーパーは、なぜうまくいかなくなったのか。筆者の中村氏は「キングオブコント2009」の結果から……この問題を分析してみた。

[中村修治,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:中村修治(なかむら・しゅうじ)

有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。


yd_paper.jpg 全国規模でフリーペーパーが苦戦している

 全国規模で、フリーペーパーが苦戦している。キングオブフリーペーパーである『R25』まで、配布場所が半減されたというニュースが流れたのは、今月初旬である。うまくいかない根本的原因は、何か? キングオブコント2009の結果を見て、なんとなく分かった気がした。

 経済産業省発表の「情報流通センサス」レポート平成18年度版によると、平成8年から平成18年までの10年間で「選択可能情報量=各メディアの情報受信点において、1年間に情報消費者が選択可能な形で提供された情報の総量」は、約532倍になったとある。

 数字だけ見れば、間違いなく情報過多である。しかし、そのほとんどは、デジタルに純化された内容の薄いテキストデータである。ただ、あるだけの情報が、何百倍にも膨らんでいるのだ。

 「情報」を文字通り「情けに報いる」と捉えると、情けとは、共感であり、シンパシーである。報いるとは、reward=自分で返答するである。だから、そもそも情報化とは、「心を込めて返すこと&想うこと」である。

 デジタルに純化された薄い情報に、実は、我々は、何も返してはいない。情報はあるだけで、増えただけで、我々は、何も返してはいない。純度の高い無機質な情報をいくらでも取得できる環境になっているが、誰にも、どこにも、心を込めて返す場所や術を持っていない。

 情報過多の時代と言いながら、実は、私たちの心や身体は「情報化不足」に、絶対的に陥っているのではないか。若者達は、真の「情報化」を渇望しているのではないか。みんな、もっと、心も脳みそも、使いたがっているのではないか。

 その現象はキングオブコント2009の結果を見ても分かる。コント芸人2548組の中の頂点を決めるキングオブコント2009の決勝の結果は下記の通り。

優勝:東京03 835+953=1788

2位:サンドウィッチマン 878+865=1743

3位:しずる 820+831=1651 

4位:インパルス 767+868=1635

5位:モンスターエンジン 771+855=1626

6位:ロッチ 807+804=1611

7位:天竺鼠 723+829=1552

8位:ジャルジャル 734+805=1539

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