コラム
» 2009年10月07日 08時00分 UPDATE

松田雅央の時事日想:環境+クルマ=未来が少し見えてきた…… フランクフルトの国際モーターショー(後編) (1/3)

クルマ社会が急速に変化する中、各自動車メーカーはエコカーの開発にしのぎを削っている。ドイツを代表するメルセデス・ベンツやBMWは、どのようなクルマを開発しているのだろうか。フランクフルト国際モーターショーの様子を紹介する。

[松田雅央,Business Media 誠]

松田雅央(まつだまさひろ):ドイツ・カールスルーエ市在住ジャーナリスト。東京都立大学工学研究科大学院修了後、1995年渡独。ドイツ及び欧州の環境活動やまちづくりをテーマに、執筆、講演、研究調査、視察コーディネートを行う。記事連載「EUレポート(日本経済研究所/月報)」、「環境・エネルギー先端レポート(ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社/月次ニュースレター)」、著書に「環境先進国ドイツの今」、「ドイツ・人が主役のまちづくり」など。ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)会員。公式サイト:「ドイツ環境情報のページ


 前回に引き続き、先ごろ開催されたIAA2009=フランクフルト国際モーターショー2009の様子をレポートする。自動車社会を取り巻く環境が急速に変化する中、自動車メーカーは次世代のエコカー開発にしのぎを削り、IAA 2009はハイブリッドカーと電気自動車が主役の展示会となった。

 しかしながら、エコと環境がIAAの主要テーマとなったのは今回が初めてではない。IAA 2007(開催は2年ごと)当時、すでに時代はエコ・環境へ踏み込んでおり、メディアが伝える記事にも「IAAはエコカーが目白押し!」のような見出しが躍っていたものだ。ところが実際にIAA 2007を取材してみると評判と現実には大きな開きがあり、スピード・馬力・排気量を誇る旧態依然としたメーカーの多いことに驚かされた。筆者の期待が過大だったのかもしれないが、本音をいえば企業イメージを向上させるポーズとしてエコ・環境をうたうメーカーが多かったように思う。

 だがこの2年で世界は変った。燃料価格の高騰、世界不況、エコカーに対する社会需要の高まり。自動車メーカーも生き残りのため姿勢を一変させ、エコカーは脇役から主役へ躍り出ることになった。

 →まるで“HVとEVの見本市”――フランクフルト国際モーターショーを見てきた(前編)

yd_matuda1.jpg IAAの会場入り口

室内コースを走るハイブリッドカー

 BMWの巨大なブースの中で最もスペースを取っていたのはワールドプレミア車「Activ Hybrid 7」。V8ガソリン・エンジンと電気モーター1基を搭載し、両者の併用により最高出力342kW、700Nmのトルクを達成。最高速度は250キロ(電子制御リミッター作動)、燃費は9.4リッター/100キロメートル、CO2排出量は219g/kmとなっている。

 ハイブリッドのスタートストップ機能(アイドリングストップ機能)により交差点や渋滞の際もエンジンをアイドリング状態にすることなく理想的に発進し、電気モーターをエンジンスターターとして使用しているため始動時の振動がない。

yd_matuda2.jpg BMWのワールドプレミア車「Activ Hybrid 7」

 BMWブース最大の特徴は、大型体育館ほどのホールを一周する屋内コースと、その一角に設置されたステージ。ステージの前には約300人分の座席が設けられ、多彩なゲストのコメントを交えながら司会者がクルマを紹介するという趣向だった。例えばワールドプレミアとなる「Activ Hybrid X6」が屋内コースを何周か走った後、ステージ上に停車し、そのままプレゼンテーションを始めるという、これまでにない展示スタイルを見せてくれた。

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