米国株高を受けて買い戻しも入るが政策の不透明感などから戻りも限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年10月06日 16時01分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9691.80円 △17.31円
売買高 20億4248万株
日経平均先物 9680円
売買代金 1兆3890億円
TOPIX 871.63 △4.35
値上がり銘柄 686銘柄
東証マザーズ指数 421.36 △10.17
値下がり銘柄 877銘柄
日経ジャスダック平均 1197.69円 ▼1.46円
変わらず 118銘柄
騰落レシオ 66.04% △2.31%

日経平均

米国株高を受けて買い戻しも入るが政策の不透明感などから戻りも限定的

 米国株が大幅高となったことから買い先行となりました。ただ、為替が依然として円高水準にあることや景気の先行きに対する不透明感も強く、寄り付きから買い気の乏しい展開となりました。銀行株や不動産株、輸出株などは買戻しもあって堅調な始まりとなりましたが、昨日まで堅調となっていたディフェンシブ銘柄などには持高調整と見られる売りもあって軟調となり、指数は小動きとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたことや円高に振れたことなどから戻りも限定的となりました。

 後場に入ると軟調となる時間が長くなりました。寄り付きから戻りの鈍さを嫌気するような見切り売りがかさみ、持高調整と見られる売りも引き続き出ており、買戻し一巡後に軟調となる銘柄なども散見され指数も軟調となりました。ただ、さすがに下値を売り叩く動きとはならず、底堅さが確認されると買戻しが入り指数を下支えしました。経済政策の方向性がはっきりと見えないことや景気浮揚策も見えてこないことから買い手掛かりに乏しく、最後まで買い切れないような状況が続き、買戻しが入って堅調とはなったものの戻りも限定的となりました。

 小型銘柄も値動きの良い銘柄に集中する動きとなり、小型株全体としては方向感のない展開となりました。東証マザース指数は大きく下落した後だけに、インターネット関連銘柄などが牽引する形で大幅高となりましたが、二部株指数は横ばい、日経ジャスダック平均は見切り売りもかさみ軟調となりました。先物も散発的にまとまった売り買いが出て指数を動かすような場面もあったのですが、追随する動きはほとんどなく、方向感のない目先筋の売買が中心となっていました。

 米国株高に期待して節目と見られる9800に突っかけるような場面が見られるかと思ったのですが、予想以上に買い気に乏しい展開となっています。買っても売っても儲からないので売りも買いもしないということでもないのでしょうが、値動きの良い銘柄ばかりが人気を集め日替わりで賑わっており、その他は全く蚊帳の外と言うことなのかもしれません。それでも、景気回復の過程で出遅れたものや思ったよりも業績が良い銘柄などもあり、目先筋が騒いでいないうちに、あるいは騒いだ後に見直してもいいのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 底堅さは見られるものの底入れ感が出るという形ではありません。ストキャスティックスは底値圏にあるのですが、RSIはまだ下落余地もあり、もう一段下値を確認するか、遅行線が雲にサポートされるのを確認するような場面もありそうです。反発まではもう少し値幅か日柄の整理が必要ということなのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 引き続き下値を探る動きとなっています。4月高値=5月安値=7月安値と言う節目での底堅さが見られ、「毛抜き底」での反発も期待されますが、ストキャスティックスは底値圏にあるものの、RSIがまだ下落余地があり、もう少し値幅か日柄の整理が必要と言うことだと思います。

円相場

NYダウ

 引き続き底堅さは見られるのですが上値も重い展開が続いています。転換線で上値を押さえられて下値を探る展開がつづいており、反発のタイミングを測っているようにも見えますが、まだRSIもストキャスティックスも下落余地があり、まだ何度か下に突っ込むような円高方向に向かう場面もあるのかもしれません。もう少し底堅さを確認するような動きが続くのでしょう。

銘柄ピックアップ

輸出株や資源株が堅調だが上値も重い

ABC マート(2670) 2820 △40

 昨日の引け後に9月の既存売上高が前年同月比6.3%増となったと発表、好感した買いが入り堅調となりました。大型連休で客足が伸び、全店で客数が同26.1%増となり、業績上振れ期待もあったものと思います。

日東電(6988) 2675 △140

 本日付の新聞で2010年3月期の連結営業利益が前期比2.9倍に拡大すると報じたことから従来予想を上回ることから好業績を素直に好感する買いが入り大幅高となりました。

西松屋チェ(7545) 911 △1

 「子供手当て」支給が来年の通常国会に先送りされると報じられたことから、「子供手当て関連銘柄」として買われていた同社などに失望売りがかさんで軟調となりましたが、法案成立が先送りとなっても実施時期は変わらないことから下げ幅も限定的最後は小幅高となりました。

三井不(8801) 1488 △42

 特に材料があったわけではないのですが、金融機関の返済猶予問題などから大きく売られていたことから値ごろ感からの買いや持高調整の買戻しが入り12営業日ぶりに反発となりました。

DENA(2432) 261200 △30700

 大幅高となりました。米ゲームデベロッパーとの資本・業務提携を好感して買いが入り、値動きの良さを見て目先筋の買いが集まったものと思われます。

任天堂(7974) 21730 ▼490

 年初来安値更新となりました。特に目新しい材料が出たわけではないのですが、一時、1ドル=88円台に入るなど円高傾向が止まらないことから為替の影響の大きな同社が見切り売りや持高調整の売り対象となったものと思われます。

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