経済指標の好転や売られすぎの反動から大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年10月06日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9599.75△112.08

<NASDAQ>2068.15△20.04

<為替:NY終値>89.53-89.59

経済指標の好転や売られすぎの反動から大幅高

 朝方発表になったISM(米サプライマネジメント協会)非製造業景況感指数が予想を上回って改善、好不況の分かれ目とされる50を超えたことや前日までの下落の反動もあり堅調となりました。週末のヘッジ売りの買戻しなどもあったものと思われます。商品市況なども反発となるものが多く、景気不安が薄らいだことで素材株やエネルギー株などが高く、大手銀行セクターの投資判断が引き上げられて金融株も高くなりました。

 芳しくない経済指標の発表が続いていたことから、この日の予想を上回る指標には敏感な反応となりました。期待されていなかっただけにインパクトはあったものと思います。また、投資判断の引き上げがあり、銀行株への懸念、つまり金融不安が緩和されて商品市況なども堅調となったことが逆に景気指標にも良い方に働く、好循環となると見られてほぼ全面高となったものと思います。ただ、目先的に売られすぎた反動と言う面が強く、景気回復度合いを測りながら、企業決算動向などに一喜一憂する動きは続くものと思います。

 個別には売られすぎの反動や商品市況の好転を受けてアルコアが大幅高、キャタピラーなど景気敏感株も大幅高となるものが目立ちました。投資判断の引き上げのあったウェルズ・ファーゴや「買い推奨リスト」に加えられたキャピタル・ワン・ファイナンシャルなども大幅高、連れてJPモルガンチェースやバンクオブアメリカも大幅上昇となりました。目標株価の引き上げられたGE(ゼネラル・エレクトリック)も大幅高となり、身売り検討が報じられたブロケード・コミュニケーションズ・システムズ(ネットワーク機器)は19%上昇しました。ダウ採用銘柄ではマイクロソフトやマクドナルド、ウォルマートなどが軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 週明けの日本市場は手掛かり難の中、引き続き円高を嫌気する動きなどもあり輸出関連銘柄を中心に売られ軟調となりました。銀行株など金融株は買い戻しもあって高く、小売り株の一角が好業績を好感して買われ指数を下支えする格好となりました。外国人も買い越しと伝えられたのですが特に材料視されず買い気の乏しい中で軟調となりました。

 米国市場が堅調となったことやここのところの大幅下落の反動もあって反発が期待されます。特に円高を嫌気して売られていたハイテク銘柄などの輸出関連銘柄は反発してくるものと思います。原油や金などの商品市況も反発となったことから非鉄株や商社株なども反発するものが多くなりそうです。ただ、そうは言ってもまだ為替も水準としては円高水準にあり、新政権の政策も内需主導ということなので、戻りも限定的となりそうです。

 昨日も節目と見られる9800円水準まで戻すこともなかったのですが、本日も引き続き9800円水準まで戻るのかどうかが注目されます。為替が円高水準で落ち着いていることなどから上値も限定的となりそうで、9800円水準では戻り売りに押されることになるのでしょう。目先的な割安感もあり、底堅さは見られるのでしょうが「出口戦略」を探る動きのなかで持高調整の売りなどが出ると下値の節目と見られる9500円から600円の水準を目指すような動きになるのかもしれません。

本日の注目点

◇決算・3−8月期:イオン(8267)、イズミヤ(8266)、ミニストップ(9946)

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