本当にストレスを解消できるの? GABAとノイズキャンセラの実力(1/2 ページ)

» 2009年10月06日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 新聞、雑誌、テレビ、インターネット……多くの情報に“おぼれそう”になっている人も多いだろう。1995年度と2005年度に発信された情報量を比較したところ、わずか10年間で400倍以上も増えていることが、総務省の調査で明らかになった。こうした“情報ストレス”ともいえる環境下で、日々忙しく働くビジネスパーソンはどのようにしてストレスを解消すればいいのだろうか。

情報流通量の推移(出典:総務省)

夕方にGABAを摂取し、集中力の回復を

 隣の席で働く同僚の机の上に、「GABA」(ギャバ)と書かれたチョコレートやドリンクを見かけたことがある人も多いだろう。ここ数年、GABAが含まれた商品が増えてきているように思えるが、GABAを摂取するとどのような効果があるのだろうか。

 GABAとは人間の体内に存在する、天然アミノ酸のひとつ。食品では野菜や果物、チョコレートなどに含まれており、γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)を略して、GABAと呼ばれている。GABAには興奮を鎮めたり、リラックスをもたらしたりする役割があるというが、働くビジネスパーソンのストレスをどのくらい軽くすることができるのだろうか。

 GABAストレス研究センターの横越英彦(よこごし・ひでひこ)代表は、GABAの効果を検証。1日の疲労がたまりやすい夕方に、GABAの入ったチョコレートを食べることでどのような効果があるのかを調査した。ビジネスパーソン14人に簡単な足し算をしてもらい、その後、(1)水を飲んでもらう(2)GABAの入ってるチョコレートを食べてもらう(3)GABAの入っていないチョコレートを食べてもらう――。調査は4月20日、5月13日、5月20日の3日間に分けて行い、それぞれの調査の最後に唾液を採取した。

メンタルバランスチョコレート GABA(出典:グリコ)

 ストレス状態にあるときには、唾液中の免疫成分である、免疫グロブリンIgAの濃度が低下。その一方、精神的なストレスによって唾液中に放出されるクロモグラニンA(CgA)が増えるという特徴がある。調査の結果、「GABAが含まれたチョコレートを食べた場合、集中力が向上することが確認できた」(横越代表)。さらに足し算の正解率も、GABAの入っているチョコレートを食べた方が高かったことから「(GABAを摂取することで)夕方からの仕事の効率をアップできるのではないか」(同)と分析している。

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