コラム
» 2009年10月06日 08時00分 UPDATE

値の付けどころがシャープでしょ (1/2)

「目の付けどころがシャープでしょ」という、おなじみのキャッチフレーズ。そのシャープさは、“目”の付けどころだけではなく、新規参入したLED電球の“値”の付けどころにも発揮されている。

[竹林篤実,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:竹林篤実(たけばやし・あつみ)

東大寺学園高校卒業、京都大学文学部卒業。印刷会社営業職、デザイン事務所ディレクター、広告代理店プランナーなどを経て、2004年にコミュニケーション研究所の代表。ブログ:「だから問題はコミュニケーションにあるんだよ


 「目の付けどころがシャープでしょ」という、おなじみのキャッチフレーズ。そのシャープさは、“目”の付けどころだけではなく、新規参入したLED電球の“値”の付けどころにも発揮されている。

照明マーケットのPEST変化

 実は知らなかったのだが、家庭用照明器具はこれまで極めて閉鎖的な市場だった。過去何十年もの間、新規参入するメーカーはほとんど皆無だったらしい。なぜなら「白熱電球や蛍光灯管などの光源は専用設備で量産する設備産業のため、新規参入は実質的に不可能。そもそも成熟した照明市場にリスクを冒して参入する利点もなかった」(日経産業新聞2009年10月2日付9面)からだ。

 確かに、今さら照明器具をぼんぼん付けられるようなスペースが増えるはずもない。家やマンションは減少傾向にあるとはいえ、確かに毎年それなりの新築物件がある。しかし、そこはすでに既存メーカーが完全に押さえている。しかも、そもそも単価が安い商品である。後発メーカーが今から巨額の設備投資をしても採算に合わないわけだ。

 が、この照明マーケットにパラダイムシフトが起こった。いわゆるPEST分析をするなら、変化はPoliticalとSocial、Technologicalの分野で起きた。まず大きいのは環境である。地球温暖化対応は巨大なうねりとなりつつあり、環境対策としての省エネ、省資源化は避けられない動きとなっていたのだ。

 このうねりを受けて前政権でさえすでに、大幅なCO2削減を打ち出していた。そこで注目を集めたのがLED技術だ。

ah_syapled.jpg LED電球(出典:シャープ)

LEDが変えた照明マーケットの力学

 LEDは理想の照明器具と言われる。なぜなら消費電力が従来の白熱電球の約8分の1と少なく、しかも寿命は40倍に伸びる。極めてエコな照明器具なのだ。

 しかも、このLEDに限っては製造も簡単である。極端な話、秋葉原あたりで部品をそろえさえすれば、個人でも組み立てることができる。参入障壁が極めて低いのがLEDなのだ。だから異業種からの参入が相次いでいる。ざっとあげるだけでローム、大和ハウス、三菱化学工業など社名を聞いただけでは、照明とはまったく関係ないような企業がそろう。

 そこに満を持して突撃したのがシャープだ。同社は今年7月15日に発売予定だった家庭用LED電球の発売を一度、先送りしている。その理由は、事前に集まった注文が予想以上だったため生産が追いつかなかったのだ。もちろんシャープも照明市場に関しては、まったくの後発組。LED以前に照明器具は扱っていなかった。そのシャープがLEDマーケットでは、一躍マーケットリーダーとなったのだ。

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