コラム
» 2009年10月05日 08時00分 UPDATE

ちきりんの“社会派”で行こう!:お年寄り天国がやって来る (1/2)

今後、日本はお年寄りに優しい国になると予測する筆者。その理由はなぜなのか。そして実際に、お年寄りに優しくなった日本ではどのような変化が起こるのだろうか。

[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2005年9月25日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 これからの日本はどんどん「お年寄り天国」になると思います。

 否定的な意味ではありません。ちきりん自身も将来のお年寄りなので、お年寄り天国に期待しています。「これからは医療費は上がるし、年金も切り下げられる。何でお年寄り天国なんだ?」といぶかしく思われるかもしれませんが、ちきりんは、今後の日本はお年寄りにとってより住みやすい国になると確信しています。

 理由は「これから急速にお年寄りが増えるから」です。

 総務省の人口推計月報によると、2009年9月現在、65歳以上の人口は2895万人、総人口に占める割合は22.7%です。国立社会保障・人口問題研究所では、5年以内に人口の25%が65歳以上になると予測しています。60歳以上ならもっと多いし、消費人口に占める割合では30%を超えてくるでしょう。

 そんな状態になれば「すべての企業にとって、最も重要な顧客はお年寄りである」という時代がやってきます。利益を追う企業は、当然“お年寄りが気に入るもの”を競って開発し、“お年寄りに気に入ってもらうためのマーケティング”を開始するでしょう。ここのところ新聞の活字が大きくなっているのはそういう流れの1つです。

 独身女性のマンション購入理由として、「年を取って独り身だと、賃貸の部屋が借りにくいから」とよく聞きますが、これも今後急速に変化するのではないでしょうか。若者人口が減って空き室が増えれば、「独居老人の方に、こーんなに便利なアパートです!」「お年寄りの方に入居特典付き!」みたいな物件が出てきてもおかしくありません。

 なぜなら総人口の4分の1が老人になる上に、彼等の中には若い人よりお金を持っている人も多いからです。若者にはニートや低所得のワーキングプアが増える傾向にあり、所得は減少傾向です。そうなると「お金持ちの半分はお年寄り」になるかもしれず、これからの日本ではお年寄りを無視した商売は成り立たなくなると思われます。

 「DVDやPCの使い方が難しすぎる!」とお悩みの方、安心してください。今後はきっとお年寄りにやさしい“楽々操作”の製品が増えてきますよ。より性能の高いPCより、トラブルが少なくシンプルで分かりやすいPCの方が、企業にとって重要な戦略商品になるかもしれません。携帯電話市場ではすでにそういう商品が売れ筋の1つとなっています。

 「年をとって独り身だったら買い物にも困る」「夫に先立たれたら海外旅行もできない」なんて心配する必要もありません。個人への配送を行う店や、一人暮らしのお年寄りのための趣味ビジネスも増えると思います。あまり考えたくもないですが、「独居老人、日々生存確認サービス」みたいなものも出てくるかもしれません。コンサートでも「スタンディングオベーション禁止エリア」ができたりね。

 今は企業のWebサイトの文字は小さいですが、市役所のWebサイトの福祉関連ページは文字が大きいところも多いです。これからは企業のWebサイトもそうなるでしょう。株式投資をする人も商品を買う人も「半分は老眼」になるんだから。

ah_toukhyou.jpg 東京都のWebサイトでは文字を大きくする方法を解説している
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