コラム
» 2009年10月05日 08時00分 UPDATE

-コデラ的-Slow-Life-:「玉にきず」のPen Fボディに手を入れる

筆者が格安価格で手に入れた中古カメラ『OLYMPUS Pen F』。所有者のものと思われる名字が彫り込まれていたことが安値の理由だが、今回の修理では文字を消すために塗装をやり直すことにした。

[小寺信良,Business Media 誠]

 『OLYMPUS Pen F(以下、Pen F)』は中古カメラの中でもかなり高値の部類に入るだろう。しかし、筆者が3年前に購入したものは、完動品、標準レンズ付きで1万2000円であった。当然ワケアリである。

 →奇跡の小型化――OLYMPUS Pen Fはどこが“すごい”のか

 そのワケとは、軍艦部に所有者のものと思われる名字が、彫り込まれているからだ。昔は盗難防止の意味もあり、わざとボディに傷で名前を書き込むことが少なくなかったのである。

ah_SANY0014.jpg ボディに名前が彫り込んである

 撮る分には全く問題ないのだが、やはり気分的にがっかり感がある。そこで軍艦部のカバーだけ、塗装をやり直すことにした。金属塗装のことは何も知らなかったのだが、筆者の友人でテレビの小道具などを作っていた人がいるので、アドバイスを仰いだ。

 まずは塗装の食いつきを良くするために、現在の表面塗装をはがす必要がある。最初はサンドペーパーを使ってやっていたのだが、どうにもらちがあかないので、電動ドライバーの先端に取り付ける研磨用のピットを買って来た。

ah_SANY0003.jpg 研磨作業途中。名前部分はきれいに落ちている

 その後はプライマーと呼ばれる下地用の塗料を吹き付ける。これを塗っておくと、塗料の食いつきが良くなるそうである。

 続いて、メタリックシルバーのアクリルラッカースプレーで塗装した。本当はウレタンスプレーがいいそうだが、高いのと扱いが難しいということで断念した。

 塗っては水研ぎするという工程を3回ほど繰り返して重ね塗り。最後にメタリック感を出すために、くもりガラススプレーをふわっとかけて梨地の質感を出す。このあたりは模型のテクニックのようだ。オリジナルとは多少違って、少し白っぽい仕上がりになったが、初心者がやった割にはうまくいったように思う。

 黒い文字はサインペンである。金色の飾り文字も、極細の金色サインペンで埋めた。この作業を行ったのはもう3年も前だが、いまだ塗装のはがれもなく、現状のままである。

ah_DSC00076.jpg 塗装後のPen F。オリジナルよりちょっと白っぽい

久しぶりに中身の掃除

 当時はカメラの修理などおっかなびっくりで、ほとんど大したことはできなかったので、久しぶりに中を開けてみることにした。もう中の構造はすっかり忘れていたのだが、2つのプリズム間には単にミラーだけでなく、接眼レンズも入っていた。ついでにこれもきれいに掃除しておく。

ah_DSC00085.jpg 2つ目のプリズムの直前に接眼用レンズがある

 2つめのプリズムの前に接眼用レンズで調整されているため、接眼部のプリズムは驚くほど小さい。中は電気部品がほとんどなく、接眼部プリズム付近にはまだ少し隙間がある。後にこの隙間に、セルフタイマー機構が埋め込まれたわけである。

 モルトは、ほとんど使われていない。接眼部のプリズムを固定する部分と、ボディの隙間充填に使われている程度である。プリズムの鏡面部分に使われていなかったため、Pen Fはファインダー周りのトラブルは比較的少ないようだ。

 ただ、このモルトもだいぶ腐食しているので、新しいものに張り直した。当時からこんな状態だったのだが、当時はまさか自分で張り替えができるものとは思っていなかった。

 しかし、まだまだ現役で活躍してもらわなければ困る。次回はレンズ描写とアクセサリー類をご紹介しよう。

ah_DSC00080.jpg モルトの腐食が始まっていた

小寺 信良

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映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作はITmedia +D LifeStyleでのコラムをまとめた「メディア進化社会」(洋泉社 amazonで購入)。


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