さて、いよいよクライマックスの夕陽タイム。片側1車線の国道345号線を注意深く渡れば、そこは景勝地「笹川流れ」の展望スペースだ。新潟県村上市の笹川流れは1927年に国の天然記念物に指定され、日本百景にも選ばれたところ。約11kmの海岸線に様々な形の岩が立っている。遊覧船もあるそうだから、いずれゆっくりと訪れたい。
発車の合図で列車に戻れば、車窓はトワイライトタイム。海の色がだんだん濃くなって、やがて空と海の色が同じになり、水平線が曖昧になっていく。ここから先の景色も紹介したいところだが、残念ながら私には記憶がない。試飲のお酒のせいで、終点の新潟まで心地よく眠ってしまったからだ。これも汽車旅の「至極の時間」である。
「きらきらうえつ」酒田駅−新潟駅 乗車券 2940円 指定席券 510円
東京から土曜・日曜で出かけるなら、「土日きっぷ(大人1万8000円、中高生 9000円 、こども 3000円)」が便利。早朝発の山形新幹線「つばさ」で新庄、陸羽西線で酒田へ。帰りは上越新幹線に乗れば日帰りも可能。しかも土日きっぷで元が取れる。
肉食系鉄道ライター(魚介類が苦手)にして、前世からの鉄道好き。生まれて間もなく、近所を走っていた東急池上線の後をついていったという逸話あり。曰く「いつもそばを走ってたから、あれが親だと思った」
コンピューター系出版社でゲーム雑誌の広告営業を経験した後、フリーライターとなる。オンライン対戦ゲーム、フリーウェア、PCテクニカルライティングなどデジタル系の記事を専門とし、日本初のEスポーツライターとしてオンライン対戦ゲーム競技を啓蒙する。
趣味は日本全国の鉄道路線探訪で、現在の路線踏破率は約8割。著書は『もっと知ればさらに面白い鉄道雑学256(リイド社)』『知れば知るほどおもしろい鉄道雑学157(リイド社)』『A列車で行こう8 公式ガイドブック(エンターブレイン)』など。
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