芳しくない景況感や雇用指標を受けて大幅下落清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年10月02日 08時29分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9509.28△203.00

<NASDAQ>2057.48△64.94

<為替:NY終値>89.6-89.66

芳しくない景況感や雇用指標を受けて大幅下落

 朝方発表になったISM(米サプライマネジメント協会)製造業景況感指数が好不況の分かれ目とされる50は上回ったものの、前月より低下したことや新規失業保険申請件数が予想を上回って悪化したことから売り先行となりました。ここのところ発表されている経済指標が景気回復の度合いが低下していることを示しており、注目される週末の雇用統計に対する懸念もあって売り急ぐ展開となりました。個別に投資判断の引き上げなどもありましたが、好材料への反応は鈍くセンチメントが下向きに転じたというような感じです。

 ここのところの経済指標の悪化やもたつきが一気に株価の下落となったようです。それでもまだ原油先物市場が堅調となっていることやドルの下落も見られないことから、パニック的な売りというよりは景気回復の度合いに合わせた調整ということなのでしょう。ただ、これだけ経済指標の悪化が続くとさすがにセンチメントも下向きになってしまうものと思われ、昨年の暴落も頭をよぎって買い手控え気分も強まってくるのかもしれません。個別企業の業績発表で上方修正などが相次いでくれば再び上値を窺うような展開になって来るのでしょう。

 個別には投資判断の引き上げのあったアルコアは買い先行となったのですが、地合いの悪さに押され軟調、新車販売台数が前年同月比で3カ月ぶりに減少となったことで、フォードモーターは大幅下落となりました。資金調達計画が発表されたUAL(航空持ち株会社)は20%超の急落、景気の回復が鈍り資金需要の減少や貸し倒れの増加を懸念してJPモルガンチェースやバンクオブアメリカ、アメリカンエクスプレスなど金融株が軒並み大幅下落となりました。景気敏感株のキャタピラーやボーイングも大きく下げ、ここのところしっかりした動きとなっていたインテルも大幅下落となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は日銀短観の想定レートよりも為替が円高水準にあることや引き続き返済猶予の問題などを嫌気して銀行株などの金融株やハイテク銘柄などの輸出株を中心に見切り売りがかさみ大幅下落となりました。好材料への反応も限定的となっており、外国人も売り越し基調ということで買い手控え気分も強く、持高調整の売りなどもあって大きな下げとなりました。

 米国市場が大幅下落となったことから日本市場も輸出関連銘柄などを中心に売り先行となりそうです。週末の米国雇用統計などへの懸念も強まり、手仕舞い売りやヘッジ売りもかさむものと思います。米国市場に先んじて調整となっていた感もありますが、新政権の政策に対する懸念が強まっているなかで米国景気の回復にかげりが見えると「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく」と言われたほどでもないのでしょうが、昨年の暴落が想起されて、手仕舞い売りや見切り売りを急ぐことになるかもしれません。ディフェンシブ銘柄や内需小売株の一角、あるいは非鉄や資源株などの底堅さが期待されます。

 心理的な節目である10000円を割り込んだことで弱気になりがちなところで、米国株が大幅下落となったことで、下値を試す動きとなりそうです。一目均衡表の雲の下限である9800円水準で下げ止まるのか、それともその水準を割り込んで9500円から600円水準まで下落となるのか、いずれにしても調整は否めないところでしょう。米国株に先んじて下落となっていたことを考えると本日は9800円程度までの下落で済むのかもしれませんが、少なくとも積極的な買いは期待できず、いったん大きく突っ込むと戻りも鈍く、戻りの鈍さから下げ幅が大きくなるかもしれません。

本日の注目点

◇8月の完全失業率(総務省)

◇8月の有効求人倍率(厚労省)

◇8月の家計調査(総務省)

◇9月のマネタリーベース(日銀)

◇9月の米雇用統計

◇決算・3−8月期:サークルKサンクス(3337)

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