買い気に乏しい展開のなか金融株など主力株への売りが止まらず大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年10月01日 16時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 大幅下落となりました。月替わりで何とかなるかと思われましたが、金融株などの売りが止まらず市場参加者が少ないなかで大きな下げとなりました。朝方発表された日銀短観や米国市場、為替などとは関係のないところで、目先的な需給や政策に対する懸念などから売り急ぐ展開となっているものと思います。

 米国離れと言うよりは経済情勢や景気動向とは関係のないところで株式市場に対する懸念が強まっているような感じです。金融担当大臣や財務大臣の発言などに振り回されていることなど「迷走」している政策に右往左往してしまうのを嫌気して手仕舞いを急ぐ展開となっているようです。市場重視から「マニュフェスト重視」への政策転換が株式市場に悪影響を与えているということに政府も気が付かないところが少し怖いところです。

 民主党が政権をとれば当初は期待が強まって株式市場も高くなると思っていたのですが、新政権に対する期待は8月31日の寄り付きから17分間で終わり、「期待はずれ」と金融政策の方向性が見えないことの弊害が早くも出ているものと思います。所謂「KY]と言われるような大臣のコメントに、支持母体からは所得税の最高税率引き上げや納税者番号制度などの陳情も行われているようです。

 ちょうど昨年の今頃から暴落が本格的に始まったわけですが、ちょうど一年経って昨年の相場を思い出し、手仕舞いをしている向きもあるものと思われます。昨年の暴落の主役であったヘッジファンドなどの持高は昨年ほど積み上がっていないので、昨年の暴落のようなことはないと思いますが、季節柄好決算が相次ぐようなことでもないと積極的に買い上がり難いのかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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