「お化粧買い」期待も空振りに終わり、方向感なく小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年09月30日 16時19分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 全くと言っていいほど方向感のない一日でした。指数は上にも下にも動かず、先物の仕掛け的な売りが出ても瞬間的に指数が振らされるものの結局は10100円を挟んでの動きとなってしまうという状況でした。為替への反応も鈍く、個別企業の業績などのニュースにも反応は鈍く、物色されるあるいは売り込まれる対象も広がることはなく、あくまでも個別の反応となって指数は小動きとなりました。朝方発表になった鉱工業生産指数もほぼ予想通りということで材料視されず、手掛かり難ということで動きが取れなかったものとおもいます。

 月末・中間期末ということなのですが、「お化粧買い」に対する期待もなく小動きとなりました。新政権の閣僚のコメントなどで為替が乱高下となり、金融株なども大きく売られましたが、「次」の展開が見えないことやまだまだ株式市場にとって悪いことが出てくるかもしれない、と言う恐怖感があって、仕掛け難いものと思います。新政権の「先」が見えないことで身動きが取れないということなのでしょう。

 温暖化ガス25%削減、と言う一方で「高速道路無料化」や「暫定税率の廃止」としたり、「八ツ場ダム建設中止」「道路の建設中止」と公共投資を削るような政策であるにも関わらず「内需振興」と言ったりと政策の方向性が見えず、株式市場で反応出来ずにいるものと思います。金融機関の資本規制の問題や返済猶予の問題もせっかく回復しつつある景気の腰を折るような話でもあり、先行きに対する期待が剥げているということなのでしょう。

 これまで、何でも反対で済んでいたものが反対するだけではなく、「次」の方向を指し示すことが出来ず右往左往している感じです。ただ、そうはいっても個々の企業は利益を出すために日々努力をしているわけであり、どんな状況でもしっかりと収益を上げ続けているような企業を見つけていくしかないのでしょう。取りあえずは為替の影響の少ない銘柄や円高メリット銘柄に分がありそうで、個人消費に絡む銘柄などの押し目を拾う方向でいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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