米国株高や円高一服で買い先行で始まるも戻りの鈍い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年09月29日 16時08分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 大幅下落の次の日に為替が落ち着いた動きとなり、米国株が大幅高となったにも関わらず戻りの鈍いさえない展開となりました。朝方こそ買い先行で始まったものの、戻りの鈍さが確認されると見切り売りもかさみ上げ幅縮小となりました。外国人が売り越し基調と伝えられたこともちょっと動きが止まると売り急ぐ要因となったものと思います。時期的な問題もあり、この時期にはヘッジファンドなどの売りを懸念する動きも出てくるようです。

 大学の株式サークル出身者の相場操縦の話が出ていましたが、そうまでしないと儲からないのか他にやり方はなかったのかと思います。こうした不祥事が起こるたびに規制が強化され、がんじがらめのなかでの取引となってしまうのです。規制も株価操縦も「市場」に余計なバイアスをかけるということでは同じことなのですが、政府金融当局高官のコメントなども含めてそうしたバイアスに敏感に反応してしまうこともまた問題ではないかと思います。

 「見せ玉」と言われるものなど小手先のテクニックに惑わされてしまう投資家(投機家)がそれだけ多いということなのでしょうが、株式の売買も便利になったらなったで困ったことも非常に多くなっています。そして、便利になったらなったで、本来であれば、例えば見せ玉や株価操縦なども見極められるようでなければいけないということでしょう。小手先のテクニックばかりを気にしているものだから、大きな流れを読みきれず、見せ玉などにひっかかってしまうこともあるのではないかと思います。

 もちろん悪い事やずるいことをやっても儲けようする向きが悪いのですが、法律に引っかかりさえしなければ良い、と言う人達もいるかもしれません。また、意図して見せ玉をしたわけでなく、実際にまとまった買い注文を出したケースなどもあるわけで、しっかりと見極める力をつければそれなりの対処が出来るわけです。ただ、本当にうまくやるのであれば、小手先のテクニックだけを磨いても限界があると思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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