米国株高や円高一服で買い先行で始まるも戻りの鈍い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年09月29日 16時08分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10100.20円 △90.68円
売買高 18億0323万株
日経平均先物 10100円 △70円
売買代金 1兆2367億円
TOPIX 904.00 △1.16
値上がり銘柄 719銘柄
東証マザーズ指数 450.19 △6.10
値下がり銘柄 826銘柄
日経ジャスダック平均 1231.63円 ▼1.24円
変わらず 138銘柄
騰落レシオ 76.82% ▼4.77%

日経平均

米国株高や円高一服で買い先行で始まるも戻りの鈍い展開

 米国株が大幅高となったことや円高一服となったこと、また昨日の大幅下落の反動もあって買い先行となりました。シカゴ市場(CME)の日経平均先物の終値である10200円前後、あるいは昨日の高値水準である10150円まではあっさりと戻るのかと思われましたが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が引き続き大幅売り越しと伝えられたことや、新政権に対する不信や不安もあって買い切れず、戻り売りに押されて上値の重い展開となりました。いったん上値の重さが気になると買い手も引っ込んで、買戻ししかはいらず小動きとなりました。

 後場も買い先行で始まったものの、戻りも鈍く、先物に散発的にまとまった買いも見られたのですが、追随する動きよりは手仕舞い売りがかさんで上げ幅を縮小する展開となりました。腰の据わった買いもほとんど見られず、買戻しだけでは戻りも限界があり、指数は小動きとなりました。輸出株の反発や非鉄株など市況関連銘柄には堅調なものも見られ、指数も堅調とはなっているものの昨日の下げや米国株の割りには戻りが鈍く、何となくすっきりとしない相場となりました。最後はまとまった買戻しも見られ、高値圏まで戻りましたが明日に繋がるような感じでもなく何となく戻りの鈍さが気になる相場となりました。

 小型銘柄もまちまちとなりました。個別の材料で反応するものも多く、東証マザーズ指数は大幅高となったものの二部株指数は堅調、日経ジャスダック平均は軟調となりました。先物にはまとまった買いも見られましたが、散発的であり、しかも追随する動きはほとんどなく、上値でまとまった売りが散見されると買い手も引っ込んでしまい、あくまでも買戻しが中心となっていたようです。戻りの鈍さを見ると先行きに対する自信も持てず、最後まで持ちきれないということなのかもしれません。

 米国市場が大幅高となった割りには戻りの鈍さを確認することになってしまいました。為替も円安に戻り切らず、政府の金融当局の話も進展がなく、先行きに対する不安も募っているということなのでしょう。日経平均は昨日下に放れ、本日しっかり反発となれば戻り歩調に転じると思われたのですが、逆に上値の重さを確認する結果となり、早急に10200円台半ばを抜けてこないといったん下値を試す動きとなってしまうかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 気迷い気分の強い展開となりました。雲を抜け切れなかったことで、少なくとも上値の重い展開が続くものと思われ、ストキャスティックスもRSIも下落余地があることから、いったん雲の下限のサポートを確認するような展開になって来るのではないかと思います。上値は昨日空けた窓を埋めて上に抜けてこなければ底入れ感も出ないのでしょう。いったん10100円台半ばから200円台半ばの水準が上値になってしまうのかもしれません。

TOPIX

NYダウ

 雲を割り込んで売られすぎの修正のような形で底堅さは見られたのですが、戻りも鈍くなっています。遅行線が雲を意識して底堅さも見られるのでしょうが、日々線が雲に上値を押さえられてしばらくは上値の重い展開が続くのでしょう。

円相場

NYダウ

 下値を確かめたような形となっています。今後はこの90円前後での底堅さが見られるかどうかというところでしょう。まだRSIもストキャスティックスも底値を確認するような形でもなく、90円前後で落ち着いてこなければちょっとした売り仕掛けで大きく下押すことになりそうです。90円前後で底堅さが見られればRSIやストキャスティックスが底値圏になったところから反発となって来るのでしょう。

銘柄ピックアップ

円高や政府高官のコメントを嫌気して大幅安

ヤクルト(2267) 2335 △50

 2009年4−9月期の連結営業利益が前年同期比36%減の予想から一転6%増益になりそうだと新聞で報じられ好感する買いが入り、一時大幅高となりました。中国やブラジルなどの新興国を中心とした海外で販売が好調で上ブレとなるもようと報じられました。

富士電HD(6504) 176 △2

 米国株高に加え、パワー半導体工場の閉鎖を撤回すると新聞で報じられ、製品需要の回復から拡大への期待もあって一時大幅高となりました。

DOWA(5714) 547 △20

 米国株高や海外での商品市況の反発を受けて大幅高となりました。国内証券が循環型リサイクル企業への転換を目指す同社の事業戦略を評価して目標株価も高く、「買い」でカバレッジを始めたことも株価を押し上げる要因となったようです。

ライトオン(7445) 806 ▼19

 昨日の引け後に2010年8月期通期業績予想を発表、営業利益は増益だが減配予想を発表したことが嫌気されて軟調となりました。個人消費の低迷のなかで「勝ち組」となれなかったことから見切り売りも出たようです。

洋エンジ(6330) 310 △24

 昼の時間帯に2009年4−9月期業績の上方修正を発表、営業利益で従来予想の2.5倍と大幅な上方修正となったことから好感する買いが集まり、大幅高となりました。

神戸鋼(5406) 159 △8

 自動車や家電の部品に使う銅製品を増産すると新聞で報じられ、大幅高となりました。海外非鉄市況が堅調となったことで非鉄関連事業のウェイトが高い同社を物色する動きもあったものと思います。

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