予想を下回る経済指標や芳しくない決算動向を受けて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年09月28日 08時44分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9665.19▼42.25

<NASDAQ>2090.92▼16.69

<為替:NY終値>89.66-89.72

予想を下回る経済指標や芳しくない決算動向を受けて軟調

 週末の米国市場は耐久財受注が予想を下回ったことや芳しくない決算発表が相次いだことなどを受けて軟調となりました。一時、9月の消費者態度指数(ミシガン大学調べ)が予想を上回ったことから買い戻しなどが入り、堅調となる場面もあったのですが、新築住宅販売件数が予想を下回ったことや、世界的な金融機関に対する懸念などから、住宅関連株や素材株などを中心に売り直されて軟調となりました。為替が不安定なことから景気の先行きに対する懸念が根強く週末と言うこともあって手仕舞い売りがかさんだものと思われます。

 G20の会合で改めて金融機関に対する懸念が強まった感もあり、また、為替もドル安容認とも受け取れたことで不安定となり、市場では嫌気する動きとなったものと思われます。昨年の暴落から1年が経ち、改めて景気回復の度合いや金融不安を見直すような機運になっていることも買い手控えさせる要因となっているものと思われます。今後も景気指標に右往左往しながら、景気回復の度合いを測りながら、そして、金融緩和の「出口」を探りながら業績回復を織り込んでいくことになるものと思います。

 個別には前日引け後に予想を下回る売上見通しを発表したRIM(リサーチインモーション)が大幅下落、新築住宅販売件数が予想を下回ったことや決算が芳しくなかったことでKBホームが軟調、住宅関連銘柄は総じて軟調となりました。景気回復に対する懸念や金融機関に対する懸念からアルコアなどの素材株、アメリカンエクスプレスなどの金融株が軟調となりました。一方で、マクドナルドやメルクといったディフェンシブ銘柄は堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は前日の大幅高の反動や米国株安などを受けて大幅下落となりました。商品市況の下落や円高、金融機関の大型増資や返済猶予問題などが重なり、大きな下げとなりました。週末ということや「権利落ち」と言うことも下落要因となったものと思われます。ただ、下値の節目と見られる水準では下げ止まっており、逆に言えばこれだけ悪材料が重なった割りには底堅いとも言えるのではないかと思います。

 米国市場が軟調となったことや円高が進んだことから輸出関連銘柄を中心に軟調となりそうです。また、金融機関に対する懸念は根強く金融担当大臣のコメントの影響などから金融株も売り直されてしまうのではないかと思います。商品市況も軟調となっていることから、素材関連銘柄なども買い難く、ディフェンシブ銘柄に底堅さが見られるのかどうかが注目されます。G20での日本や中国の内需拡大を受けて、内需関連銘柄や中国関連銘柄が物色される場面も見られるのかもしれません。いずれにしても週末のヘッジ売りの買戻しなども期待されはするものの指数の調整は否めないものと思われます。

 下値の節目を確認することになりそうです。指数に影響の大きな値がさ輸出株や金融株が調整となりそうで、日経平均でも下値の目処と見られる10100円台半ばを試す展開となるものと思います。金融株が値を崩しTOPIXは日経平均よりも調整が進んでいますが、依然として金融株に対する懸念が根強いことから、未だ調整が続くものと思われ一目均衡表の「雲」の下限である913あたりまで調整となる可能性もありそうです。そうした下値の節目での底堅さが見られれば、買戻しも入るのでしょうが、為替が円安に戻らないと戻りも限定的となるものと思います。

本日の注目点

◇決算・8月期:ライトオン(7445)

◇決算・6−8月期:ウェザーニューズ(4825)

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