住宅指標の悪化や商品市況の下落を受けて軟調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年09月25日 08時28分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9707.44▼41.11

<NASDAQ>2107.61▼23.81

<為替:NY終値>91.28-91.34

住宅指標の悪化や商品市況の下落を受けて軟調

 前日の下落の反動や朝方発表された新規失業保険申請件数が予想を上回って減少、懸念された雇用に改善の兆しが見られたことから買い先行の始まりとなりました。ただ、原油価格が大幅下落となったことや午前中に発表された中古住宅販売件数が予想に反して5カ月ぶりに減少したことなどを嫌気して売られ、ダウ平均は軟調、ナスダック指数は大幅安となりました。1年ぶりの高値水準にあることから景気底入れを確認するところまでは織り込まれているとの見方も出ていたようです。

 懸念されていた雇用指標には明るい兆しも見られたのですが、順調に回復していると見られた住宅指標に陰りが見られたことで、また、景気回復の度合いを測るような展開になったものと思います。景気底入れがほぼ確認され、回復度合いを測る過程ではこうした、経済指標の改善、あるいは好転度合いに株価が反応するということなのでしょう。ただ、原油価格が大幅下落となったことで、商品市況の下落が気になります。信用収縮、リスク許容度の低下に結びつくと株式などのリスク資産からの資金流出が懸念されます。商品市況などの動向にも経済指標同様に注意が必要ではないかと思います。

 個別にはトールブラザーズ、DRホートン、KBホームといった住宅株が下落、投資判断の引き上げのあったナショナルセミコンダクターが売られ、半導体関連銘柄に利益確定売りがかさみました。投資判断の引き下げのあったベッドバスビヨンドも軟調、アルコアなどの素材株やキャタピラーなどの景気敏感株も売られました。原油価格の下落を受けてエクソンモービルやシェブロンも軟調、マクドナルドやクラフトフーズなどのディフェンシブ銘柄やIBM、マイクロソフトなどハイテク銘柄の一角が堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は連休の谷間にも関わらず持高調整と見られる買戻しも入り大幅高となりました。半導体関連銘柄柄が米国半導体株高を受けて大幅高となったことで、指数を押し上げ、先物へのまとまった買戻しもあって大幅高となりました。ただ、為替が円高となったことや返済猶予の問題で銀行株などが軟調となり、指数が高い割りには盛り上がりに欠ける展開となりました。

 米国市場が軟調、特にナスダック指数が大幅下落となったことから、昨日大きく上昇した半導体関連銘柄などを中心に利益確定売りや手仕舞い売りがかさみそうです。月替わりということもあり、配当を取った後の手仕舞い売りなども出てくるものと思われ、軟調な展開が予想されます。ただ、逆に5連休があったことで、既に手仕舞い売りがある程度先んじて出ていたのであれば、下値も限定的となり、昨日の上げ分を下げる程度ではないかと思います。先行きに対する確信が持てないことから、持ち高を大きく膨らませるというよりは週末の手仕舞い売りが優勢となるのでしょう。

 引き続き日経平均は上値を10400円台半ばから500円台、下値を10100円台半ばから200円台半ばといった水準が続くものと思います。為替や商品市況なども方向感なく目先の需給に右往左往するような展開となっており、景気回復度合いを測りかねている感じで、大きく、はっきりと方向感が出るような雰囲気でもないと思われます。昨日も持高調整の中で大幅高となりましたが、持高調整がないと昨日の上げ分を下げるような展開となり、金融機関の増資を嫌気する売りや配当取り後の処分売りがかさめば昨日の上げ幅以上の下落の可能性もありそうです。

本日の注目点

◇日銀政策委・金融政策決定会合議事要旨(8月10、11日分)

◇8月の企業向けサービス価格指数(日銀)

◇8月の全国コンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会)

◇6−8月期決算:日本オラクル(4716)

◇3−8月期決算:ジーンズメイト(7448)、乃村工芸社(9716)

◇上場廃止:雪印乳業(2262)、四国コカ・コーラボトリング(2578)、紀州製紙(3882)

◇8月の米一戸建て住宅販売

◇8月の米耐久財受注

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