連休の谷間にも関わらず、持高調整の買戻しなどから大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年09月24日 16時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 持高調整の買戻しや半導体関連銘柄が買われ大幅高となりました。ただ、目先的な需給に振り回される相場は変わらず、また新政権に対する懸念や不安もあり、上げ幅縮小となる場面もありました。景気回復を織り込む相場ではあるのですが、政策に対する懸念も根強く、また、連休の谷間ということもあり、大幅高となった割りには盛り上がりに欠ける展開となりました。

 新政権に対する懸念が出て買い切れないようです。ダムの問題にしてもアフガニスタンの問題にしても「マニュフェスト」をお題目のように、あたかも完全なものであるかのように錯覚して拘泥して、混乱を招いているようです。民主党に投票した人達は誰もが100%マニュフェストに書かれていることの実現を期待して投票したわけでもなく、マニュフェストの一部、自分に都合のいいことに賛成だから民主党に投票したという人も多いのではないかと思います。

 ですから、誰もが100%認めたわけでもないマニュフェストに拘泥する必要は全くなく、ダム問題にしても何にしても柔軟に対処することが必要ではないかと思います。特に返済猶予の問題などは銀行の業績に直接影響があるとして銀行株が売られ、銀行の貸し渋りに拍車をかけるものとして市場では嫌気されています。また、ダムや高速道路の無料化も無駄な公共投資の削減は必要でしょうが全てを十把一絡げに駄目というのも内需株などの下落、不動産価格の下落などにつながり、景気に悪影響となるでしょう。

 結局、「バラマキ」政策でも個人消費の伸びが期待出来ないとすれば、もう少し違った経済政策が必要ということなのでしょう。問題が取りざたされたところで、市場の反応を無視することなく、市場に耳を傾けることで、ある程度政策の方向性を探って見てもいいのではないかと思います。「郵政民営化」であれだけ株が上がったのですから、逆の政策を取ればそれだけ下がってもおかしくはない、つまり、市場では「郵政民営化」に関しては期待が強かったということを思い出してもらいたいものです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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