連休の谷間にも関わらず、持高調整の買戻しなどから大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年09月24日 16時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10544.22円 △173.68円
売買高 23億5928万株
日経平均先物 10460円 △120円
売買代金 1兆6518億円
TOPIX 950.20 △10.76
値上がり銘柄 1339銘柄
東証マザーズ指数 466.11 △4.55
値下がり銘柄 277銘柄
日経ジャスダック平均 1249.04円 △1.51円
変わらず 76銘柄
騰落レシオ 86.38% △9.28 %

日経平均

連休の谷間にも関わらず、持高調整の買戻しなどから大幅高

 日本市場が連休中の米国市場は方向感がなく、為替も小動きとなり、本日の外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたのですが、持高調整の買戻しもあって買い先行となりました。寄り付きの買いが一巡した後も買戻しや持高調整の買い直しの動きもあり、また、米半導体株高を受けて指数に影響の大きな値がさ半導体関連銘柄が軒並み大幅高となったことで、指数を押し上げ一時大幅高となりました。先物へのまとまった買戻しも見られ高値圏でのもみ合いが続きました。

 後場に入ると銀行株が軟調となったことや持高調整の買いも一巡したことから見切り売りや手仕舞い売りに押され上げ幅縮小となる場面もありました。金融担当大臣が返済猶予の策定に向けて動いたといことから銀行株が売られ、為替も円高に振れたことで輸出関連銘柄などの上値が押さえられ、上げ幅縮小となりました。ただ、先物へのまとまった買いは続き、戻り歩調となり、最後は上値の重さも見られたものの、値がさ銘柄の買戻しを急ぐ動きもあり、後場の高値で引け、大幅高となりました。決定的な材料に乏しい中で、節目と見られる10400円台半ばや10500円を抜けて来ました。

 小型銘柄もまちまちとなりました。インターネット関連銘柄などに買いが入り東証マザーズ指数は大幅高となったのですが、二部株指数や日経ジャスダック平均は小幅高に止まり、方向感のない展開となりました。先物は連休前のヘッジ売りの買戻しを交え朝方からまとまった買いが多く見られ、指数を押し上げる要因となりました。後場も円高にも関わらず最後まで買いが続きました。

 連休の谷間、米国市場に方向感がない割りには堅調な展開となりました。ただ、中間期の権利付き最終日ということで持高調整の買戻しなどがあり、また、半導体関連銘柄が指数を押し上げた面もあり、指数が高い割りには盛り上がりませんでした。あくまでも目先的な需給に振らされているということで、先行きの見通しは明るさが見えているものの、腰の据わった買いがいっこうに見られないということのようです。明日も週末ということで積極的には買い難く、本当に方向感が出てくるのは来週以降ということなのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 日々線が基準線を抜け、遅行線も日々線を抜けて来ました。ただ、まだ上値の節目と見られる10500円から600円水準の節目を抜け切っておらず、もう一息というところです。RSIは方向感はなく、ストキャスティックスが高値圏になりつつあり、明日も高い場面があればいったんは手仕舞い売りなどに押されることになるのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 日経平均とは違い日々線が基準線に上値を押さえられ、遅行線が日々線に上値を押さえられました。RSIは下げ足りなかったのですが戻りを示し、ストキャスティックスも上昇を示しており、上昇余地もあることから強含みの展開が続くのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 基準線を意識したところで上値の重さを確認し、再び下値を試す動きとなっています。ただ、RSIもストキャスティックスも底値圏からの戻りを示しており、ここで下値を確認しながら戻りを試すような段階ではないかと思います。再び基準線に上値を押さえられる水準(1ドル=92円台後半)まで戻るのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

米半導体株高を受けて半導体関連銘柄が高い

京セラ(6971) 8440 △360 、 東エレク(8035) 5900 △320

 米国半導体株が業績回復を受けて堅調となっていることから、両社を含め、アドバンテスト(6857)など半導体関連銘柄が軒並み大幅高となりました。先週末のBBレシオが引き続き改善していることも好感されたものと思われます。

JAL(9205) 144 ▼27

 売り気配から始まり大幅安となりました。同社の「新旧分離」を含めた抜本策が資金支援のためには必要と新聞で報じられたことから、株主責任が問われる可能性が高いと見られ、売り急ぐ展開となりました。

ニトリ(9843) 7460 △90

 連休前の先週末に2009年3−8月期連結決算を発表、2010年2月期通期の連結営業利益を従来予想から上方修正したが、まだ、保守的との見方が強く、上ブレ期待もあって堅調となりました。

ファーストリテイ(9983) 11140 △560

 今期(2010年8月期)上期業績も好調であった前期に比べてもプラスが維持できるとして外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで買いが入り、先物にまとまった買いが入るとインデックス買いも入り、大幅高となりました。

太平洋セメ(5233) 122 ▼5

 先週末2010年3月期第2四半期業績予想を下方修正したことが嫌気されて売られ、大幅下落となりました。景気回復が期待されるなかで、セメント需要の減少が続いていることなどから下方修正となりました。

三菱UFJ(8306) 527 ▼2 、 みずほ(8411) 184 ▼10

 両社や三井住友(8316)など銀行株が前場は買戻しもあって堅調となっていたものの、後場に入るといって売り先行となり上値の重い展開から軟調となりました。引き続き金融担当大臣の返済猶予制度の策定を指示したという報道に反応し、売り急ぐ展開となったものと思います。

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