週末の手仕舞い売りで一時大幅安、後場に買戻しが入り底堅い展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年09月18日 16時47分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 新政権の陣容が決まり、混乱が見られるなかで、5連休、中間期末を控えた週末ということで手仕舞い売りに押されて軟調となりました。20日決算のファンドなどの持高調整などもあり、積極的な買いが手控えられたものと思います。持高調整の買いが入り堅調となる銘柄も散見されましたが、手仕舞い売りに加え、先物へのヘッジ売りなどもあって上値を押さえられた面もあるものと思います。政局の混乱や為替も不安定なことから、休みの前に持ち高を増やす向きはほとんどなかったものと思います。

 5連休を控えてそれでなくても持高を増やし難いところなので、今週はいろいろな持高調整の動きが中心となったものと思います。米国市場や中国市場を気にする向きも引き続き多かったのですが、米国市場には若干影響されたものの、中国市場の影響は全くと言っていいほどなかったのではないかと思います。何度もこのコラムでも述べていますが、中国経済を気にすることはいいのですが、中国、特に上海市場の動向を気にし過ぎるのはどうかと思います。

 上海市場の投資家は日本市場の投資家よりももっと投機的な投資家が多く、実体経済の傾向を見ながらとか、来期業績を勘案して、などという投資の仕方をしている向きは少ないのではないかと思います。そうした投機的な市場のトレンドを知ることはいいのですが、毎日の上げ下げに右往左往することもないでしょう。もちろん、中国経済の動向は重要なのですが、上海市場がその経済の動向を素直に反映したものではなく多分にバイアスがかけられているものなのです。

 最近では米国市場すら、日本市場のように目先的な需給に振り回されるケースも見られ、「あてにならない」場合も多くなっています。ただ、市場参加者の種類が多いことで、突出した動きにはなり難い面はまだあるのではないかと思います。結局市場の動きを読むには「誰が何をしているのか」を知り、「次に誰が何をして来るのか」を考えることが特に目先的な売買をするのであれば必要なのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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