好悪織り交ぜるような経済指標を受けて方向感のない展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年09月18日 08時27分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9783.92▼7.79

<NASDAQ>2126.75▼6.40

<為替:NY終値>91.05-91.11

好悪織り交ぜるような経済指標を受けて方向感のない展開

 朝方発表された8月の住宅着工件数は数字そのものは予想通り改善していたものの、一戸建てが前月比マイナスとなり住宅指標の改善が一服となったと受け止められました。一方、新規失業保険申請件数が予想を下回り、フィラデルフィア連銀の製造業景気指数も予想を上回るなど景気回復を示す指標もあり、株式市場も売り急ぐような展開にはなりませんでした。ただ、景気回復の度合いと株価の上昇度合いを測るかのように利益確定売りもかさみ最後は軟調となりました。経済指標に反応したというよりは景気回復期待から底堅かったという雰囲気です。

 経済指標も改善、景気回復を示してはいるものの力強さに欠けるようです。市場のセンチメントは好転しており、ここからの大きな下落に対する懸念は少ないようですが、積極的に買い上がるだけの材料がないということなのでしょう。商品市況も目先的には行き過ぎの感もあり、株式市場も急騰となっているだけにいったんは利益を確保しておこうという動きが出ているものと思います。ただ、いったん売りとなっても売り急ぐ動きも少なく、押し目買い意欲も強いようです。

 個別には朝方発表した6−8月決算で売上高が予想を下回ったフェデックスが軟調、同様に前日引け後の決算発表で売上高が予想に届かなかったオラクルも軟調となりました。一方で6−8月期決算で純利益が大幅増益となったディスカバー・フィナンシャルサービスが高くなり、キャタピラーやバンクオブアメリカは買戻しなどもあって堅調となりました。前日大きく上昇したGE(ゼネラルエレクトリック)は利益確定売りに押され、原油価格が上げ一服となったことで、シェブロンやエクソンモービルも軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が大幅高となったことから、買い先行となり、大幅高となりました。大きく方向感が出ることもなかったのですが、持高調整の売り買いや先物の仕掛け的な動きなどがあいまって右往左往する場面もありました。ただ、最後は買戻しを急ぐ動きもあり、大幅高、高値引けとなりました。新政権の陣容が決まり、銀行株や不動産株が売られ、期待する買いはほとんど見られませんでしたが、景気回復を織り込むようにハイテク銘柄など輸出株や鉄鋼株が高く、金や原油など商品価格の上昇を受けて非鉄株や商社株が高くなりました。

 米国市場が上げ一服となったことやいっこうに円高が改善されないことに加え、5連休を控えた週末ということで、手仕舞いの売り買いが中心となり、積極的に持ち高を増やすような展開にはならないものと思われます。海外での商品市況も急騰の後の上げ一服となっており、商品市況高などを材料に買われていた非鉄株や商社株なども利益確定売りがかさむものと思われます。日本市場が休場の間に大きく円高に振れることへの懸念から輸出株なども買い難く、ディフェンシブ銘柄や内需株の一角、あるいは材料含みの銘柄などが物色されるに止まるものと思います。

 日経平均は下値の節目である10100円台半ばから200円台半ばの水準を割り込むまで売り叩かれることのないのでしょうが、逆に上値の節目となっている10400円台半ばから500円前後の水準を大きく上回って買い上がるだけの材料も今のところ見られず、方向感のない展開となりそうです。昨日の引けが高値引けとなったのですが、利益確定売りや週末の手仕舞い売り、先物へのヘッジ売りなどで上値を押さえられ、上値の重さが確認されると目先筋の見切り売りなどがかさんで来るのではないかと思います。

本日の注目点

◇9月の金融経済月報(日銀)

◇3−8月期決算:ニトリ(9843)

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