2008年時計市場は前年比8.9%減 インポートウォッチの低迷響く

» 2009年09月17日 11時55分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 矢野経済研究所は9月16日、「国内時計市場に関する調査結果」を発表、2008年の時計市場は前年比8.9%減の6373億円となったことが分かった。同研究所では「2008年の後半からは世界同時経済危機による国内景気の先行き不透明感、それに伴う消費者の買い控えが鮮明となる中、国内時計市場全体の約6割を占め、高級品を中心に展開する“欧米からのインポートウォッチ市場”の低迷が全体市場縮小のスピードを一気に加速させた」と分析している。

 分野別に見ると、2008年の国内ウォッチ(腕時計)市場は前年比8.9%減の5700億円。国内ウォッチ市場の約8割はインポートウォッチ市場が占めており、さらにその約8割をスイスの高級機械式時計を中心とした欧米からのインポートウォッチが占めている。「近年、30代〜40代の男性を中心にしたブランド志向の強い中産階級層ユーザーと既存の富裕層を取り囲む形で同市場をけん引してきたが、2008年は厳しい経済状況の影響でこれらの需要が大幅に減少したことが市場縮小に拍車をかけた」(矢野経済研究所)

国内ウォッチ市場規模推移(出典:矢野経済研究所)

 国内クロック(置時計・掛時計・目覚まし時計)市場は前年比8.3%減の673億円。矢野経済研究所では「2008年後半からの急速な景気の後退、それに伴う国内企業の業績悪化、個人消費の低迷といったマイナス要因が重なったことで、百貨店・専門店を中心に展開のある高価格帯の商品と、国内クロックの売り上げの約6割を占めると言われる贈答品需要の大幅な縮小が大きく影響した」とコメントしている。

国内クロック市場規模推移(出典:矢野経済研究所)

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