「リクルート出身でもダメなことはある」をつらつらと考える(1/2 ページ)

» 2009年09月17日 10時41分 公開
[伊藤達夫,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

著者プロフィール:伊藤達夫(いとう・たつお)

THOUGHT&INSIGHT株式会社代表取締役、東京大学文学部卒、認定エグゼクティブ・コーチ(JIPCC)。コンサルティング会社にて食品、飲料、化学品メーカーなどのマーケティング寄りのプロジェクト、官公庁などのプロジェクトに携わる。その後、JASDAQ上場の事業会社に移り、グループ戦略、事業戦略、業務改革などに携わる。結果的に最年少でのマーケティング部門、部門長となる。ブログ「ゆるーいコンサルタントな日々


 リクルートはブランディングがお上手で、自社出身者はどこでも通用する! と非常に鼻息が荒いですが、私が見た事業会社に移ったリクルートな人々はあんまり……。今日はそのへんをつらつらと考えて見ます。

 誰も書かないと思うので、私がつらつらと書こうかな、と思います。リクルート出身はすごい! みたいなイメージが出来上がっているように思います。誰が仕掛けているのか知りませんけどね。ビジネス書でも、そういうタイトルの本がけっこうありますよね。書いてあることは普通のお話なんですけどね。

 で、まあ、当たり前ですが、リクルート出身でもだめな人もいます。当たり前です。ブラジル人が全員サッカーがうまいか? といわれれば、下手な人もいるというのと一緒です。で、まあ、今日はブラジル人でもサッカー下手な人がいるというようなお話を書きます。

商売としては、かしこい

 私の知人で、戦コン出身ですが、気合炸裂の求人広告会社を経営している人がいます。私から見ると、コンサルティングに向いているんですけど、同僚のプレゼン中に退屈で寝てしまうから、向いてないそうですが。

 彼は、何年か前、銀行で唯一、Webマーケティングで黒字をたたき出したという実績を持っていて、そのテーマで講演すると、300人ぐらい集まったそうで。そんなわけで、彼はWebはすごーく強いのですが、今の会社では、お客さんはテレアポ、訪問で取るというスタイルで経営をしています。彼の持論は営業は気合いだ! です。

 そんな彼も、よく知らない求人広告の世界で起業するとき、不安に思ったのかリクルート出身の人を入れたそうです。いわゆる鳴り物入りだったみたいです。でも、結果から言えば、だめで辞めてもらったそうです。

 で、なぜか?

 それは、低価格で顧客を獲得して、徐々に入り込んでいって、客のニーズに合わせて自分でカスタム提案して、粗利を上げていくというスタイルが取れなかったから、だそうです。これ、リクルートを考える時に、大事だと思います。

 リクルートは最低限の粗利がはじめからでかい商品が多いですよね。スペースあたりで見れば安い! とか主張する人もいますが、最低価格が高いのです。まあ、粗利がでかい商品を扱っている会社だということです。しかも求人広告の市場規模はばかでかいですし。

 で、そういうものを、いわゆるテレアポ、訪問で売るのは得意です。ちゃんと案件管理をして、案件ごとに作戦考えて、ちゃんと取りに行きます。普通のことを普通にやってますね。だからこそ、リクナビNEXTの7割引は衝撃だったんですけどね。そのあたりは以前に書きましたけど(関連記事)

 あと、結局、マスに訴求できる情報誌、Webの広告枠を売っているのです。どこにでもあるようなものを売っているわけではないのですね。既に売るものの設計は会社としてできています。商売としては、かしこいです。すごーくかしこいです。

 でも、「リクルートで通用すればどこでも通用する!」というのはちょっと言いすぎな気もします。だって、そのシステムの中で、エネルギーがある人なら、売れるじゃん、というお話です。

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