引き続き好調な経済指標や商品市況高を受けて大幅上昇清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年09月17日 08時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9791.71△108.30

<NASDAQ>2133.15△30.51

<為替:NY終値>90.88-90.94

引き続き好調な経済指標や商品市況高を受けて大幅上昇

 朝方発表された鉱工業生産指数が予想を上回ったことや金先物相場が過去最高値を更新するなど商品市況が上昇、投機的資金の回転が期待されること、市況の上昇からの業績回復期待が強まり、ほぼ全面高となりました。午前中には目先的な過熱感から利益確定売りに押されて軟調となる場面もあったのですが、売り一巡後は買戻しを急ぐ動きなどもあってじりじりと上昇、大幅高となりました。景気回復が経済指標に表れだしたということで景気敏感株などを中心に買いが入ったものと思います。

 景気回復を裏付けるような経済指標の発表が多くなって来たことや、商品市況の上昇で投機筋の資金の回転も良くなって来たということなのでしょう。ドルが軟調なので、商品市況が上昇するという見方もあるようですが、「ドルキャリー取引」が目立っているということなのだと思います。金融機関に対する不安が薄れているというともリスク許容度が上昇商品市況の上昇に結びつき、そしてそれが景気回復=企業業績の回復に結びついているということなのかもしれません。

 個別には鉱工業生産指数が予想を上回り景気回復を確信する動きからGE(ゼネラルエレクトリック)が大幅高となるなど景気敏感銘柄が軒並み高く、信用収縮懸念が薄れていることもあってJPモルガンチェースやバンクオブアメリカなど金融株も高くなっています。商品市況が堅調なことからアルコアやシェブロン、エクソンモービルなどが高く、投資判断の引き上げのあったアマゾン・ドット・コムは大幅高、逆に投資判断が引き下げられたベライゾン・コミュニケーションズは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や円高一服となったことを受けて堅調となりました。ハイテク銘柄などを中心に持高調整の買いもあったようで、一時大幅高となる場面もありましたが、目先筋の利益確定売りなどに押されて上げ幅を縮小しました。特に材料に反応したと言うよりは先物を含めた目先的な需給に振り回されているということです。

 米国市場が大幅高となったことから日本市場も買い先行となりそうです。為替も落ち着いて来てはいるのですが、円高水準であることには変わりなく、上値を押さえる要因となりそうです。商品市況が堅調なこともあり、商社株や非鉄株の動向も注目され、また円高とはなっているものの世界的な景気回復期待から輸出株なども堅調となるものと思います。日銀の金融政策決定会合の結果が昼頃に判明しそうですが、金融緩和の「出口論」が取りざたされなければも一段高となる可能性もありそうです。

 米国市場は昨年の暴落前の水準まで戻って来ていますが、日本市場は戻り切れていません。昨日も腰の据わった買い手が不在ということで、上げ幅も限定的となり、シカゴ市場(CME)日経平均先物も米国株高の割りに上値が重くなっています。新政権の顔ぶれを見ても、指数に影響の大きな金融株や値がさハイテク銘柄などを買える雰囲気でもなく、引き続き10400円を意識するところでは上値も重くなってしまいそうです。持高調整の買戻しなどが入れば意外高となる場面もあるのでしょうが、5連休を控えていることもあり、あくまでも目先的な売買が中心となりそうです。

本日の注目点

◇白川日銀総裁会見

◇7月1日時点の基準地価

◇4−6月期の資金循環統計速報(日銀)

◇7−9月期の法人企業景気予測調査(財務省)

◇7月の第3次産業活動指数(経産省)

◇マザーズ上場:キャンバス(4575)

◇8月の米住宅着工件数

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