円高一服、米国株高に加え持高調整の買いも見られ、一時大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年09月16日 17時23分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 昨日はしっかりと反発すると思われたのですがハイテク銘柄などの戻りが鈍く、今日は最後は手仕舞い売りや見切売りに押されたものの、逆に上値が重いと思われたものが一時大幅高となるなど、為替や米国市場動向、個別の材料とは関係のないところで相場が動いているようです。民主党新政権の御祝儀相場では、と言う見方もありましたが、その割りには「民主党関連」がおとなしいような気がします。結局は目先の需給、つまり持高調整の売りが出るか買いが入るかの違いで相場が大きく変わってしまうということなのでしょう。

 最近の個別株の材料に対する反応は本当に「知ったら仕舞い」と言う感じですが、どれもこれも材料への反応が長続きしないというか、広がりが見られないことが多いようです。そして今週の月曜日のように特に売られる理由がないところで大きく売られたり、今日のように特に買われる理由がないなかで大きく買われたりと、反応が過激、と言うが大きくなっているようです。いつもこのコラムでも述べていますが、大きな要因は市場参加者の種類の少なさ、つまり、目先筋が中心となっていることが大きな要因ではないかと思います。

 加えて、現物株の「空売り規制」があり、下げるときは大きな下落となり、上げるときは限定されるということが多いのではないかと思います。今付いている値段よりも下値を売れないという「空売り規制」があるものだから、上値で大量の売りが出て、見切り売りなどはその下値を売るものだからますます下げが広がるということなのでしょう。加えて、先物やミニ先物が個人投資家、特に「デイトレーダー」などの利用が多く、いったん動きが出ると一方向に動きやすいということなのでしょう。

 こうした動きはあくまでも目先的な動き、方向感に過ぎないのですが、その場にいるとどうしてもその日の動きがいつまでも続くものと考えてしまいがちで、大きな流れや方向感を見誤ることになってしまうのでしょう。目先的な動きについていける人はそれでいいのでしょうが、目先的な動きについていけない人はしっかりと大き流れさえ掴んで、ここぞと言うときに買ったり売ったりすればいいのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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