好調な経済指標を受け、利益確定売りをこなして堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年09月16日 08時31分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9683.41△56.61

<NASDAQ>2102.64△10.86

<為替:NY終値>91.05-91.11

好調な経済指標を受け、利益確定売りをこなして堅調

 朝方発表された小売売上高が予想を上回った伸びとなったことを受けて堅調な始まりとなったものの、利益確定売りや戻り売りに押される展開となりました。ニューヨーク連銀景気指数も予想を上回って大幅に上昇景気回復期待も高まったのですが、ある程度織り込まれているということもあり、上値の重い展開が続きました。それでもバーナンキFRB(連邦準備理事会)議長の講演後のコメントの中で景気後退が終わっている可能性が高いと述べたことが伝わると買戻しを急ぐ動きもあって、堅調となりました。

 原油価格や金価格が堅調となったことも資金の回転の良さを示しており、買い安心感に繋がっているようです。FOMC(公開市場委員会)を来週に控えて、今後は景気回復を織り込む動きと金融緩和の「出口戦略」を探る動きとなりそうですが、今回のように何度か押し目を確認しては経済指標の好転や企業業績の回復を織り込みながら、戻りを試すような強含みの展開が続くのではないかと思います。ダウ平均もナスダック指数と同様に1年前の水準=11000ドルを試す動きとなる可能性もありそうです。

 個別には景気回復を織り込む形で、景気敏感銘柄としてキャタピラーやアルコアなどが買われて堅調、投資判断の引き上げが伝えられたヤフーが大幅高、同様にイーベイも堅調となりました。小売売上高は予想を上回りましたが、マクドナルドは堅調となったものの、ウォルマートは軟調となりました。朝方発表した6−8月期決算で1株利益が予想を下回ったベスト・バイが大幅下落、政府保有株の削減が伝えられたシティグループが大幅安となり、連れて、JPモルガンチェース、バンクオブアメリカなど金融株が軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や円高一服となった割りには上値の重い展開となりました。日銀金融政策決定会合や5連休を控えて持高調整の売りも出ているようで、買い気の乏しい相場では上値を押さえる要因となりました。腰の据わった買いは依然として見られず、個別の材料も広がりがなく目先的な動きに終始しているようで、方向感のない展開となっています。

 米国市場が堅調となったこと、特に個人消費に少し明るさが見られたことなどから、日本市場も堅調な展開が期待されます。昨日も戻りの鈍い展開となったのですが、下値の底堅さを確認する格好ともなっており、本日も為替の動向が気になるところではありますが、底堅い展開は期待できそうです。輸出関連銘柄などは日銀の金融政策決定会合や5連休を控えて買い戻しが中心となって来そうで、個別にインフルエンザ関連銘柄や新政権の政策がらみの銘柄が目先筋を中心に物色されることになりそうです。

 引き続き10100円台半ばから10200円台半ばの節目での底堅さを確認するような展開が予想されます。海外市場でも為替が一時1ドル=91円台後半まで円安となる場面もあったのですが、「ドルキャリー取引」は続いており、再び円高になったことで上値は重くなりそうです。10400円台半ばが一つの節目と見られますが、引き続き本日は10300円を越えるところや10400円を意識する場面では上値も重くなりそうです。一方で売り飽き気分もあり、底堅さも見られ、指数は小動きとなるのではないかと思います。

本日の注目点

◇日銀政策委・金融政策決定会合(17日まで)

◇8月の米消費者物価指数

◇8月の米鉱工業生産

◇4−6月の米経常収支

◇6−8月期決算:米オラクル

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