円高一服、大幅下落の反動が期待された割りには上値の重いさえない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年09月15日 16時15分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10217.62円 △15.56円
売買高 15億5819万株
日経平均先物 10190円 △10円
売買代金 1兆0897億円
TOPIX 932.52 ▼1.53
値上がり銘柄 596銘柄
東証マザーズ指数 463.31 △1.59
値下がり銘柄 913銘柄
日経ジャスダック平均 1252.82円 △1.80円
変わらず 171銘柄
騰落レシオ 78.96% ▼3.51%

日経平均

円高一服、大幅下落の反動が期待された割りには上値の重いさえない展開

 米国市場が堅調となったことや円高一服となったことに加え、昨日の大幅下落の反動もあって、買い先行となりました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたことなどもあって、寄り付きの買いが一巡した後は上値の重い展開となりました。上値の重さが確認されると先物にまとまった売りが出て、一気に下落、上げ幅を縮小し前日の終値を下回る水準まで売られました。さすがに10200円を割り込むところでは買戻しも見られましたがその後の戻りも鈍く、上値の重いさえない展開となりました。

 後場に入ると前場の引け際の地合いを引き継いで買い先行となりました。先物主導で買い戻しを急ぐような場面もあったのですが、朝方の高値水準まで戻ることもなく、買い気の乏しい中で小動きとなりました。前日の終値を下回るような場面では買戻しも入るのですが積極的に買い上がる動きはほとんどなく、個別の材料で買われる銘柄も散見されましたが物色対象の広がりは見られず、指数は最後まで方向感はなく小動き、最後は買戻しも入ったのですが、戻り売りもかさみ小幅高に過ぎず、前日の下げ幅の割りに戻りの鈍い相場となりました。

 小型銘柄も小動きとなるものが多く、方向感のない展開となりました。二部株指数は軟調となり、東証マザーズ指数は堅調、日経ジャスダック平均はほぼ横ばいとなりました。先物は散発的にまとまった売り買いが見られ、指数を動かすような場面も見られましたが、追随する動きが少なく、また、あくまでも散発的であり、大きく方向感を出すような動きにはなりませんでした。

 引き続き持高調整と見られる売りが出ているようで上値の重い展開となりました。円高一服となっても思ったほど輸出株が戻らず、インフルエンザ関連などに好材料が出たのですが、物色の広がりも見られず、買い気の乏しい展開となりました。日銀金融政策決会合が終わるまでは金融緩和の「出口」に対する懸念もあり、また5連休を控えていること、中間決算期末を控えていることなど、持高を減らす理由には事欠かず、買い気の乏しい展開となっているものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 引き続き下値の節目での底堅さを確認するような動きとなっています。RSIやストキャスティックスは下落余地もあり、まだ下値を探る動きが続くものと思いますが、ここからは雲を意識する水準がこの節目と見られる10100円台半ばから200円台半ばの水準であり、底堅さは見られるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 かろうじて雲にサポートされている状況には変わりありません。それでもまだRSIやストキャスティックスは下落余地もあり、日経平均と同様にこの水準での底堅さを確認するように下値を探る動きが続くものと思います。

円相場

NYダウ

 節目は割り込んだものの心理的な節目である1ドル=90円を意識して下げ止まりました。戻りもまだまだ鈍いのですが、RSIやストキャスティックスも底値圏にあり、遅行線が日々線と「天-底」一致となって、反発となって来るのではないかと思います。急落となって来る基準線あたりまでの戻りを期待したいところです。

銘柄ピックアップ

円高一服だが、戻りは鈍くディフェンシブ銘柄として医薬品株が堅調

塩野義(4507) 2200 △100

 為替の動向が不透明なことなどから景気回復を織り込む動きが一服となるなかで、ディフェンシブ銘柄を物色する動きとなり、その中でもインフルエンザ治療薬が承認されると報じられたことで大幅高となりました。

キヤノン(7751) 3550 △100

 円高が一服となったことや米HP(ヒューレット・パッカード)と事務機分野で販売提携すると報じられ、好感する買いに加え、前日の下落の反動もあって堅調となりました。

ダイキン(6367) 3350 △160

 インフルエンザを100%分解、除去するストリーマ放電技術について会見すると報じられ、大幅高となりました。14時半に会見が行われたところで、買われる場面もありましたが、目先筋の売り買いが中心と見られ、その後は大きな動きはありませんでした。

ブリヂストン(5108) 1612 △2

 米政府の中国製タイヤへの輸入制限を実施するとの発表を受けて、米国内でのタイヤ値下げの圧力が低下、同社にとってメリットがあるとの思惑もあって買われ、堅調となりました。

アイフル(8515) 208 ▼19 トヨタ(7203) 3750 △10

 格付け会社が長期格付けを格下げ方向の「クレジット・ウォッチ」の指定したことを引き続き嫌気する動きが続き、見切り売りがかさんで大幅安となりました。

ソニー(6758) 2420 ▼5

 為替の影響の大きな銘柄として円高一服での反発が期待されましたが、持高調整の売りに押され軟調となりました。目先の需給に振らされる相場のなかで、買い気の乏しい相場を象徴するかのような動きとなりました。

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