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» 2009年09月15日 11時00分 UPDATE

3代目プリウスの中古車が、新車価格を超えている理由

トヨタ自動車のプリウスが“快走”している。新車価格を超える“プレミア中古車”までが登場しているが、その背景にはどのような顧客心理が潜んでいるのだろうか。

[土肥義則,Business Media 誠]
yd_car.jpg 3代目プリウス

 2009年5月に発売された3代目プリウスが、エコカーブームの追い風を受け“快走”している。日本自動車販売協会連合会が発表した新車の販売台数を見ると、4カ月連続でトップ(関連記事)。また中古車市場では、新車価格を超えるという“プレミア中古車”まで登場している。

 ライバルともいえるホンダ・インサイトが189万円という低価格で販売していることもあり、3代目プリウスの車両価格は205万円からと、予想より安い設定で登場。トヨタ自動車の発表によると、3代目プリウスの納期は「9カ月待ち」(8月時点)となっており、「政府の補助金※が受けられないかもしれない」ほどの人気ぶりだ。

※排ガスなど一定の環境基準を満たしたクルマを新車で購入した場合、普通車で10万円、車齢13年以上のクルマを廃車にしてエコカーに買い替える場合は普通車で25万円の購入補助を受けられる。申請の受け付けは6月にスタートしたが、制度を利用するには2010年3月末までに新車登録をしなければならない。

3代目プリウスの中古車価格

 3代目プリウスの新車販売台数の動き合わせて中古車も注目されつつあるが、実際にはどのくらいの価格で取引されているのだろうか。ガリバー自動車研究所の鈴木詳一所長によると「3代目プリウスは中古市場で品薄の状態。中古車の平均価格は固まっていないが、新車価格から30万円〜50万円上乗せして売買されている」という。

 3代目プリウスの中古車が新車価格を上回っている背景には、「9カ月の納車待ち」が大きな要因として挙げられる。発売当初、5月時点の納車期間は「4カ月待ち」だったが、その後1カ月ほどで「7カ月待ち」。これは国内の供給能力を超える受注を受けたことを意味し、中古車価格が高くなる要因を作り出しているといえる。「今すぐ乗りたい」「今乗っているクルマの車検がすぐ切れてしまう」といった人が、手っ取り早く中古車を購入しているようだ。

yd_priusu.jpg

 3代目プリウスの中古車価格について、鈴木所長はこのように見ている。「納期が3カ月以内に縮まれば中古車価格は下がるだろう。しかし新車価格を上回る今の価格は、数カ月続くのではないか」という。

スポーツカー「NSX」も“中古車プレミアム”

yd_nsx.jpg 1990年に登場したホンダのNSX

 3代目プリウスの中古車価格が新車を上回っているのであれば、2代目もプレミアが付いているのでは? このように考える人もいるかもしれない。

 ガリバー自動車研究所によると、2代目プリウスの中古車価格は平均で220万円前後。新車価格が263万円なので、40万円ほど下回っている格好だ。こうした背景には「需要と供給のバランスで値段が決まる」中古車ならではの事情がある。「3代目プリウスの新車価格が2代目よりもかなり安く設定されているため、2代目の中古プリウスが(市場で)大量に出回っている。また3代目の新車(一部モデル)より、価格が高い(2代目プリウスの)中古車というのは商品として売りづらい」(鈴木所長)

 これまで“中古車プレミア”が付いたクルマといえば、バブル経済崩壊直前に発売されたスポーツカー「NSX」が挙げられる。1990年に発売されたNSXは1000万円近くの高級車だったが、当時のファンから注目を集め、新車の場合、納車待ちは1年〜2年ほど。その結果、中古車は「2000万円超」を記録した。

 もちろんNSXのように、3代目プリウスが新車の倍以上の価格に高騰することはないだろう。しかし納車待ちが縮まらない限り、当分は“中古車バブル”が続きそうだ。

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