ウケる記事を書くためのコツとは? 筆者が半年間で学んだこと最終回・現役東大生・森田徹の今週も“かしこいフリ”(2/2 ページ)

» 2009年09月11日 08時00分 公開
[森田徹,Business Media 誠]
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キーワード記事は愚かなのか

 もう1つ筆者が意識していたのは、取り上げるテーマのキーワード性である。キーワードはタイトルに直結するものなので、読者数を大きく左右する。

 昔、「脳みそ直結デバイス」のようなタイトルで、内容は写真の叙情性を語る、というコラムがあった。掲載誌がPC系サイトだったこともあり、タイトルから攻殻機動隊のような発明を期待してクリックした読者が多かったからか(筆者もその1人である)、その週のアクセスランキング上位を占めていた。コラムの内容は残念ながらあまり面白くはなかったのだが、キーワードが読者を獲得する上で重要だということは想像できるだろう。

 入り口であるテーマ自体に新規性を与えると、何が書かれているのか予想がつかないことから敬遠される傾向にある。一方、似たようなテーマ設定をすれば同じようなPVは確保できる。粗製濫造の現在の書籍業界が陥っている愚だが(そもそも筆者の著書『東大生が教える1万円からのあんぜん投資入門』も「東大生」+「投資」という、テーマとしては二番煎じを狙ったかなり愚かな本だ)、ニュースサイトが一定のPVを確保するための戦略としては必ずしも愚かだとは言えないのである。

 ちなみに、ほかにも経験則として「数字を加えると説得力は増すが、読者は離れていく」「長くて詳細な記事はあまり好まれない」など、得難い知見は色々と手に入った。ブログなどでPVを集めたい人には嬉しい知見なのかもしれないが、筆者はブログも書かないしメディア業界志望でもないので、さしてメリットはない。有名サイトのトップページで取り上げられるという当初の目標も早々に達成してしまったこともあり(2回目の東大ノートがmixiニュースのトップに取り上げられた)、それが分かってからはPVを稼ぐための情熱はすっかり失ってしまった。

 あとやる気が出るとしたら何だろう。やはり人間、金が絡まないとやる気にならないものである、というのが半年間で得た結論のような気がする。

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