コラム
» 2009年09月11日 08時00分 UPDATE

「忙しい」の正体とは

「組織はどうでもいい物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く」というパーキンソンの凡俗法則。なぜそうなってしまうのだろうか。

[川口雅裕,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール

川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

1988年リクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・教育研修などに携わったのち、経営企画室で広報(メディア対応・IR)および経営企画を担当。2003年より株式会社マングローブ取締役・関西支社長。人事専門誌・業界誌・一般誌などにも人事関連分野で多く取り上げられていただき、ラジオ番組のレギュラーを持っていたこともあります。京都大学教育学部卒。ブログ「関西の人事コンサルタントのブログ


 「組織はどうでもいい物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く」というのがパーキンソンの凡俗法則です。「難しいこと、重大なことに対してはこだわらず、流したり簡単に受け入れたりするのに、どうでもいいようなことに対しては関わろう、時間やパワーをかけようとする人が多い」という傾向を言っています。

 根本的で重大な組織の問題、「何をやるか」「どうやってやるか」という戦略や方針、多くの人に影響を与えるような決断などは、権限のある人や管轄部署にお任せする、また、何だか難しそうに見えることは専門家や担当者にお任せする。一方で、どちらでも良いようなこと、分かりやすいことに対しては急に生き生きして口を出す人が増えるという景色を見たことのある人は多いと思います。大事はスッと決まるが、些事(さじ)には議論百出という組織です。

 どっちでも良いなら一任すればいいのに、皆が口出しするものなので、その議論を調整・収束させるのに時間がかかってしまう。容易なことで1人でもできるのに、関わる人が必要以上に多いので、連絡や引継ぎやチェックといった業務が増大していく。これが「忙しい」の正体。かけている時間やパワーと、その仕事・課題の大切さが不釣り合いになってしまっている状態です。

 大事は偉い人にお任せで、些事だけに関わってメンバーを振り回す上司というのは困りモノ。実務者にとってみれば、こういう類の忙しさは、自由や裁量がなくなって調整ばかりに時間をとられるわけですから、やる気も削がれます。大事に対して皆で関わり、些事は任せる(もちろん後でちゃんとチェック・フィードバックする)。不毛な忙しさから脱出するためには、重点を置き、時間をかけている仕事にそれなりの価値があるのかを考えてみるのも1つです。(川口雅裕)

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