悪材料には目を瞑り好材料に反応、持高調整の買いも入って大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年09月10日 16時12分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10513.67円 △201.53円
売買高 19億8658万株
日経平均先物 10510円 △170円
売買代金 1兆3706億円
TOPIX 958.49 △18.65
値上がり銘柄 1377銘柄
東証マザーズ指数 459.72 △11.88
値下がり銘柄 220銘柄
日経ジャスダック平均 1248.58円 △5.40円
変わらず 94銘柄
騰落レシオ 94.01% △5.11%

日経平均

悪材料には目を瞑り好材料に反応、持高調整の買いも入って大幅高

 米国市場はナスダック指数が大幅高となるなど堅調だったのですが、為替が円高、寄り付き前に発表になった機械受注が予想を大きく下回るなど強弱感が対立する寄り付きとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越し、米国市場の引け後に発表になった半導体関連企業が業績を上方修正となったこともあり、買い先行となりました。寄り付きから持高調整と見られる買いも主力銘柄に入っており、堅調な始まりとなりました。

 寄り付きの買いが一巡した後はいったん目先筋の利益確定売りに押される場面もあったのですが、先物にまとまった買いが入って切り返し堅調な展開となり、ほぼ全面高となって大幅高、高値圏での動きとなりました。後場も堅調な始まりとなったものの上値も重く、上値の重さを嫌気するような動きもあったのですが、先物にまとまった買いが断続的に入って指数を押し上げ節目と見られる10500円を抜けて大幅高となりました。先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出を控えての思惑もあり、指数を押し上げるような動きになったものと思います。

 小型銘柄も堅調なものが目立ちました。インターネット関連銘柄の一角が大幅高となるなど値動きの良さを好感する見方もあり、東証マザーズ指数は大幅高となり、二部株指数、日経ジャスダック平均も堅調となりました。為替も円高に振れたままでしたが、先物には断続的に買いが入り、指数を押し上げる要因の一つとなっていました。明日の先物・オプションのSQは売り買い大きく偏ることもないと見られていますが、いろいろな思惑もあったようです。

 ここまで大幅高となるだけの材料はなかったような気がするのですが、目先的な需給に振らされる形で、まとまった買いが朝から主力銘柄に入っていたこともあり、買いが優勢となったのでしょう。為替や機械受注の数字を見るとこれほど買い上がれないような気がするので、持高調整の買いが明日もはいれば一段高となるのでしょうが、入らないと今日の反動もあり、SQ後に売り急ぐ展開となってしまうかもしれません。いずれにしても目先の需給に振らされる展開であることは前回の先物・オプションSQ(6月)の時と同じような展開のような気がします。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 一気に遅行線が日々線を抜け、日々線も基準線、転換線を抜けて再び「好転」となりました。下値の節目で底堅さを確認、ストキャスティックスも底値圏からの反発となっていますが、RSIが下げ足りず、戻りも鈍いのではないかと思います。SQ(特別清算指数)算出に絡む動きや持高調整の買いでの指数押上げだけにあすもこの水準を保てるかどうかが注目されます。この水準を保てれば「好転」と見てもいいものと思います。

TOPIX

NYダウ

 底堅さを確認して戻りを試す動きになりましたが、基準線や転換線に上値を押さえられました。遅行線も日々線に上値を押さえられた格好で、日経平均と違い、もう一段上昇とならないと「好転」となりません。RSIが下げ足りず、まだ下値を確認する動きが続くのかもしれませんが、明日も堅調となるようであれば「好転」となて来るのでしょう。

円相場

NYダウ

 下値を確認する形となっています。まだ下値を確認できたわけではないのですが、RSIもストキャスティックスも底値圏にありそろそろ反発となってもいいところではないかと思います。遅行線が8月高値の日柄にあたり、「天−底」一致となって反発となるのかもしれません。

銘柄ピックアップ

材料のある無しに関わらず堅調

富士フイルム(4901) 2815 △90

 インフルエンザの感染の有無を調べる感に検査で、感度を現状の100倍に高める技術を開発したと新聞で報じられ、好感した買いが入り大幅高となりました。

エルピーダ(6665) 1319 △43

 DRAM市況が上昇していると伝えられたことや米国市場の引け後に半導体関連銘柄が業績を上方修正したことで、業績改善の期待が高まり、大幅高となりました。

味の素(2802) 898 △24

 出遅れ感が強いことに加え、インドネシアでぶつりゅうたいせいを強化すると新聞で報じられ、アジア地域での販売増加を期待する買いが入り堅調となりました。

HOYA(7741) 2200 △90

 2007年に買収したペンタックス部門の収益が改善、2009年7−9月期に部門損益が7四半期ぶりに営業利益が赤字から脱却できると報じられ、収益向上期待から買われ大幅高となりました。

日本MDM(7600) 290 △80

 2010年からこれまで米者から全量調達してきた主力の骨接合材料の独自開発・生産に乗り出すと報じられ、収益性が高まることを好感して買いが集まりストップ高となりました。

三井海洋(6269) 1903 ▼85

 2009年12月期の新規受注高が前期比で3分の1に落ち込む公算が大きくなったと新聞で報じられたことから、収益下振れ懸念から売りがかさみ大幅安となりました。

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