「ドル安メリット」のある銘柄が買われて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年09月10日 08時30分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9547.22△49.88

<NASDAQ>2060.39△22.62

<為替:NY終値>92.05-92.11

「ドル安メリット」のある銘柄が買われて堅調

 利益確定売りや「ベージュブック(地区連銀経済報告)」での個人消費に対する懸念からの売りをこなして堅調となりました。朝方から商品市況が底堅く堅調となっていることや「ドル安メリット」銘柄を物色する動きから堅調となりました。ただ、ここのところの上昇を受けて利益確定売りがかさみ、「ベージュブック」の発表を警戒する動きから上げ幅を縮小する場面もありましたが、最後は買戻しも入って堅調となりました。

 「ドル安」が売り材料とはならず、かえって「ドル安メリット」のある銘柄などを物色する動きになるところを見ると市場のセンチメントは上向いているものと思われます。投資判断や目標株価の引き上げなども相次ぎ、そしてそうした材料に素直に反応するところを見ると、金融不安なども薄れているものと思います。ただ、個人消費の回復、雇用への懸念は払拭されておらず、物色対象が一巡した後に、個人消費の回復などが見られないと買い一巡感からの手仕舞い売りに押されてしまうことになりそうです。

 個別にはキャタピラーやGE(ゼネラルエレクトリック)、スリーエム、ボーイングといった大型グローバル企業が、ドル安メリットなどがあることや新興国市場の景気回復の恩恵があることや目標株価の引き上げなどもあって買われ、大幅高となるものも見られました。投資判断の引き上げがあったイーベイが大幅高となりました。一方、8月の全世界の既存店売上高の伸びが前月より縮小したことが嫌気されてマクドナルドは軟調、四半期決算が赤字となったタルボット(婦人服)も売られました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高にもかかわらず、円高を嫌気する売りに押され売り先行で始まり、その後も手掛かり難のなかで持高調整と見られる売りもあって一時大幅安となるなど終始売りが優勢な展開となりました。引け際には目先筋の買い戻しもあり底堅さも見られましたが、買い上がるだけの材料にも乏しく、軟調となりました。先物・オプションのSQ(特別清算指数)を控えていることなども手仕舞いを急がせる要因となっていたものと思います。

 米国市場が堅調、特にナスダック指数が大幅高となっているのですが、為替が大きくドル安=円高となっていることから、強弱感が対立しそうです。本来であればハイテク銘柄などが買われてもいいのでしょうが、円高を嫌気して内需関連の新政権がらみの銘柄や個別の材料株物色となるのではないかと思います。朝方発表される機械受注の動向次第では円高にも関わらず全体の底上げと言う可能性もありますが、取りあえずは円高を嫌気する動きで、好調な機械受注の数字となっても物色対象が絞られるのではないかと思います。

 指数に影響の大きな値がさ輸出関連銘柄が敬遠されると堅調となっても、日経平均は10400円台半ばの節目を意識した動きとなりそうです。一方で円高懸念以外のところでは売り急ぐ材料もないことから、全体としては底堅い展開となりそうです。下値の節目も10100円台半ばから10200円台半ばで底堅さが確認されたことから、今日も10200円台半ばでは底堅さも見られるものと思われます。機械受注の発表や為替動向に加え、明日のSQ(特別清算指数)算出を控えた思惑的な売り買いや持高調整の売り買いに振り回される場面もあるのでしょうが、底堅い堅調な展開となりそうです。

本日の注目点

◇8月の企業物価指数(日銀)

◇7月の機械受注(内閣府)

◇7月の米貿易収支

◇決算・11−7月期:オハラ(5218)

◇決算・2−7月期:ACCESS(4813)、東京ドーム(9681)

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