コラム
» 2009年09月10日 08時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:なぜ東京オリンピック招致は盛り上がらないのか? (1/3)

10月2日、コペンハーゲンでのIOC総会で決定する2016年夏季オリンピックの開催地。東京も候補地として名乗りを上げているが、筆者は東京の勝ち目は薄く、リオデジャネイロが有力と予想する。その理由とは?

[郷好文,Business Media 誠]

著者プロフィール:郷 好文

マーケティング・リサーチ、新規事業の企画・開発・実行、海外駐在を経て、1999年より2008年9月までコンサルティングファームにてマネジメント・コンサルタントとして、事業戦略・マーケティング戦略、業務プロセス改革など多数のプロジェクトに参画。 2008年10月1日より独立。コンサルタント、エッセイストの顔に加えて、クリエイター作品販売「utte(うって)」事業、ギャラリー&スペース「アートマルシェ神田」の運営に携わる。著書に『ナレッジ・ダイナミクス』(工業調査会)、『21世紀の医療経営』(薬事日報社)、『顧客視点の成長シナリオ』(ファーストプレス)など。2009年5月より印刷業界誌『プリバリ[印]』で「マーケティング価値校」を連載。中小企業診断士。ブログ→「マーケティング・ブレイン


 ずばり、リオデジャネイロ。2016年夏季オリンピック、招致決定都市の私の読みである。

 長かった招致レースも最終コーナーに入った。2009年10月2日、コペンハーゲンでのIOC総会の場で、シカゴ(米国)、マドリード(スペイン)、リオデジャネイロ(以下リオ、ブラジル)、東京(日本)の4都市の中から、約100名の委員の投票で過半数を獲得した都市が選ばれる。

 4月から5月にかけてIOC評価委員が現地視察、6月には各国のプレゼンテーション、そして9月2日には投票のベースとなる「REPORT OF THE 2016 IOC EVALUATION COMMISSION」(IOC評価委員会報告書)が公表された。

ah_hyouhou.jpg IOC評価委員会報告書

評価報告書だけでは決まらないが……

 開催地の選定は単純な民主主義ではない。過去には“買収疑惑”でIOC委員が追放されたこともあった。最後のプレゼンでの“顔”も大事だ(シカゴはオバマ大統領、リオはルラ大統領、マドリードはフアン・カルロス1世国王がやってくるという)。そしてIOC内部のリオへの肩入れも噂される(現会長のロゲ氏も前会長のサマランチ氏もリオ寄りとささやかれている)。報告書は開催都市決定の1つのファクターに過ぎない。評価報告書が出た後のロビー活動、ゴール手前の駆け引きが大切なのである。

 先手を打ちリオとマドリードは、先に落選した方が相手都市を支持するという“相互協定”を結んだという(参照リンク)。さらにルラ大統領はサルコジ大統領にも応援を要請した。IOC評価委員会報告書で評価が低かったシカゴが、商業面の“国益”を考えて時差がほとんどないリオを支持するという話もありそうだ。

 一方、東京(というか日本)では、皇太子ご夫妻に出席を要請しているものの宮内庁からの返答はないようだ。世論の盛り上がりの低さを懸念されてのことだろうか。国家元首の出席についても、政権が交替して次期首相となるだろう鳩山氏はオリンピックのプレゼンどころではないはずだ。国作りに専念してもらいたいし、正直スペイン国王やサルコジ大統領ほどのインパクトはない。むしろ“宇宙人ぶり”が国際トピックになっているファーストレディ、鳩山幸さんの出席は面白いかもしれない。

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