商品市況の上昇などを受けて3日続伸清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年09月09日 08時43分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>9497.34△56.07

<NASDAQ>2037.77△18.99

<為替:NY終値>92.32-92.38

商品市況の上昇などを受けて3日続伸

 連休明けの米国市場はヘッジ売りの買戻しや商品市況の上昇を受けて買い先行で始まり、買い一巡後は利益確定売りに押される場面もありましたが、堅調な地合いは続き、投資判断の引き上げのあった銘柄が素直に買われるなど好材料への反応もよく、最後は買戻しなどもあって堅調となりました。雇用統計の発表やG20財務相・中央銀行総裁会議を無事乗り切った感もあり、買戻しを急ぐ場面もあったものと思います。

 市場のセンチメントは好転していますが、景気回復を確信し、金融不安が完全に払拭されたわけでもなさそうです。ただ、投機的な資金の回転が効いており、リスク許容度が増していることで株式市場への資金流入も見られるものと思います。ちょうど一年前から収縮し続けていたものが少し拡大を始めているということなのでしょう。経済指標の発表などに一喜一憂しながら金融緩和の「出口戦略」をこなしていくことになるのでしょう。

 個別には投資判断の引き上げを受けてGE(ゼネラルエレクトリック)が大幅高、同様に目標株価が引き上げられたスリーエムも堅調、原油など商品価格の上昇を受けてエクソンモービルやシェブロンといった石油株、アルコアなどの素材株が軒並み堅調となりました。一方、英食品大手への買収提案が拒否されたクラフトフーズが大幅下落、投資判断の引き下げを受けてAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)も大幅下落となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国市場が休場となっていたことで、手がかり材料に乏しい展開で軟調となりましたが、後場に入ってから先物主導で切り返して高値引け、堅調となりました。ここのところなりを潜めていた電池関連銘柄を中心に環境関連銘柄を物色する動きもあり堅調な地合いとなったものと思います。

 米国市場は堅調ですが、為替が円高に振れていることや昨日の上昇で米国株高もある程度織り込まれているものと思われ、上値の重い展開となりそうです。商品市況の上昇でメリットのある非鉄株や素材株、商社株などは物色されるのでしょうがハイテク銘柄や機械株などの輸出関連銘柄には上値の重くなる銘柄も出てくるものと思われます。環境関連銘柄など個別の材料には敏感に反応し物色されるのでしょうが相場全体とすれば週末の先物・オプションSQ(特別清算指数)算出を控えて様子見気分の強い展開となりそうです。

 引き続き一目均衡表の遅行線が日々線に抑えられて上値の重い展開が続くものと思われます。日々線も基準線や転換線を意識して上値が重くなるでしょう。10400円台半ばを抜ければ遅行線も日々線を再び上回り「好転」となり、日々線も基準線、転換線を上回るので、10400円台半ばを上回るかどうかが注目されます。ただ、その水準を上回っても10500円から600円の節目は厚いものと思われます。下値は10100円台半ばから200円台半ばが節目となっており、その水準では底堅さを確認できるものと思います。

本日の注目点

◇須田日銀審議委員講演(長崎市)

◇7月の景気動向指数(内閣府)

◇石油輸出国機構(OPEC)総会(ウィーン)

◇米地区連銀経済報告(ベージュブック)

◇決算・11−7月期:田崎真珠(7968)

◇決算・2−7月期:モロゾフ(2217)

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