週末の手仕舞い売りやヘッジ売りの反動で堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年09月07日 16時36分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株高を受けて買い先行となりました。為替が円安に振れたこともあり、ハイテク銘柄や機械株などの輸出関連銘柄が高く、市況の回復を受けて非鉄株なども堅調となりました。不動産株なども買戻しや買い直しを急ぐ動きもあり、堅調な展開となりました。今晩は米国市場が休場となることなどから様子見気分も強く、指数は寄り付いてからほとんど動きはありませんでした。

 最近の相場は個別の材料が長続きしない、と言う話を述べましたが、長続きどころか材料への反応も鈍いのではないかと思います。以前から気にはなっていたのですが、新聞などの観測記事で業績が好調などと報じられる、あるいはアナリストが投資判断を引き上げたなどというと敏感に反応するのですが、画期的な新製品を開発した、とか、為替が円高だから原料安メリットがある、などということには反応が鈍いような気がします。

 「ケインズの美人投票」ではないのですが、上がると思う材料でないとそれがその企業の収益拡大に結びついても買い材料にはならない(?)というようなことが多いのではないかと思います。投資判断の引き上げの理由が株価が下がったから割安となった、などということでも「投資判断の引き上げ」ということで買いが入ることもあるのです。逆にテクニカル的な分析をした結果割安感が強いということでは買い材料にはならないのです。

 民主党が選挙に勝って「政権交代」となったことで、個々の企業にとってはメリットのあることもあるのでしょうが、株式市場全体として、どういう影響があるのか、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な単純な言葉遊びのようなことは止めて、もう一度考え直した方がいいのではないかと思います。そして、その流れに沿ってメリットのある企業、デメリットとなってしまう企業を選別して行く必要もあるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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