週末の買戻しや景気回復を織り込む格好で堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年09月07日 08時55分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

週末の買戻しや景気回復を織り込む格好で堅調

<NYダウ>9441.27△96.66

<NASDAQ>2018.78△35.58

<為替:NY終値>93.05-93.11

週末の買戻しや景気回復を織り込む格好で堅調

 朝方発表された雇用統計は失業率は予想を上回ったものの非農業部門の雇用者数は予想ほど減少せず、強弱感の対立する反動となりました。ただ、ここまで雇用に対する不安で売り先行となっていた分、材料出尽くし感からの買戻しが入り堅調となりました。G20財務相・中央銀行総裁会議や7日が祝日で3連休となることなどから、買戻しを急ぐ動きとなったものと思います。買戻し一巡後は方向感に乏しい展開となりましたが、売り急ぐ動きはなく、最後まで値持ちのいい状況は続きました。

 懸念された雇用は芳しくはないものの思ったほどでもなく、悪化に歯止めがかかりそうだとの見方も出来るようになった感じです。雇用の悪化に歯止めがかかれば、もう一つの懸案であり個人消費の改善にもつながり、本格的な景気回復を織り込む段階となってくるのでしょう。ただ、景気回復を織り込む過程での金融緩和解除の問題、いわゆる「出口戦略」の問題も出てくるものと思われ、まだ一気に上値を試すような動きにはなり難いものと思います。

 個別には四半期配当の承認がおりたGE(ゼネラルエレクトリック)が大幅高、1株あたり損益見通しレンジの下限を引き上げたことが好感されてノベラス・システムが堅調、アップルやマイクロソフトなどハイテク銘柄は総じて堅調となりました。原油価格や金価格は小動きでしたが、3連休前の買戻しでエクソンモービルやシェブロンなどの石油関連銘柄やニューモントマイニングなどの鉱山株は軒並み堅調となりました。前日急伸したAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)が大幅下落となりましたが、JPモルガンチェースなど他の金融株は堅調なものが目立ちました。

本日の相場

日経平均

 週末の日本市場は堅調な始まりとはなったものの、週末に米国雇用統計の発表やG20財務相・中央銀行総裁会議を控えていることから、手仕舞い売りやヘッジ売りに押されて軟調となりました。値ごろ感、指数が下値の節目水準にあることからむきになって売り叩くような動きはなかったのですが、買い気に乏しく軟調となりました。

 週末の米国市場が堅調となったことや円安に振れたことからヘッジ売りの買戻しなども交え、買い先行となりそうです。ただ、米国市場が3連休を控えた買戻し、持高調整が中心で上げたことから、積極的に上値を追うような材料にも乏しく、買戻し一巡後は上値の重い展開となりそうです。そろそろ9月中間決算が気になり始めるところでもあり、持ち高を大きく売り買いどちらかに傾け難いのではないかと思います。週末の先物などのSQ(特別清算指数)算出に絡んで先物の売り買いに振り回される場面もありそうです。

 一目均衡表の遅行線が日々線を割り込んで「逆転(売り転換)」となりました。ただ、下値の節目と見られる10100円台半ばから200円台半ばの水準で下げ渋っており、この水準を割り込まなければ完全な売り転換というよりは日柄的な整理が必要な展開と言えそうです。10400円〜500円水準を抜ければ目先的な底入れ確認となるのでしょうが、それまでは10400円水準を上値にもみ合うことになりそうです。本日も買い戻し一巡後に10300円台を維持できるかどうかが注目されます。

本日の注目点

◇主要国中銀総裁会議(スイス・バーゼル)

◇決算・5−7月期:フリービット

◇米レーバーデーで休場

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.