週末の手仕舞い売りやヘッジ売りがかさみ軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年09月04日 16時10分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が堅調、為替も円安、商品市況も堅調でアジア株も高い中で日本市場だけさえない展開となりました。選挙後の堅調な地合いが期待されましたが終わってみると、逆に下値を探るような動きになってしまいました。週末の米国での雇用統計の発表やG20を気にしている向きも多いと思われますが、それ以上に新政権に対する不安が募ったものと思います。昼の時間帯に民主党党首が銀行規制に言及したことも上値を押さえる要因となったものと思います。

 引き続き新政権に対する思惑と不安が相場の足を引っ張っているようです。分かっていたこととは言え、実際にダムの建設を中止したり、高速道路の無料かも喧しく騒がれだしました。「隣の芝生は青い」ではないですが、民主党になると世の中バラ色と期待してはいたものの、実際にはそう簡単にはことが運ばず紆余曲折がありそうだということで、意欲も萎んでしまったのでしょう。

 「知ったら仕舞い」と言われるのですが、実際にふたを開けてみると新政権の政策は少なくとも株式市場にとっては心地いいものではなかったということなのでしょう。経済指標は日米欧、そして、中国やインドを含めてもはっきりと改善の兆しどころか改善しており、こうした改善や景気回復が単なるあや戻しではないことも見えているのですが、それでもなおかつ悲観的な見方になっているということはやはり何か萎縮してしまうような材料があるということなのでしょう。

 政治も変わり、経済の大底も見えてあとは買い意欲と先高期待さえ出てくればいいということなのでしょう。指数の動きを見るとしばらくは悲観的な動きとなるような形ですが、大きな流れ自体は世界景気の回復に向かっており、政権が変わったことによる混乱が一段落となれば、悲観的な状況がいつまでも続くわけでもなく、少し時間はかかるのかもしれませんが、業績回復、景気回復をもう一度織り込みに行くことになるのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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