週末の手仕舞い売りやヘッジ売りがかさみ軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年09月04日 16時10分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10187.11円 ▼27.53円
売買高 19億2427万株
日経平均先物 10190円 ▼10円
売買代金 1兆3428億円
TOPIX 935.74 ▼7.03
値上がり銘柄 340銘柄
東証マザーズ指数 444.72 ▼6.81
値下がり銘柄 1224銘柄
日経ジャスダック平均 1246.34円 ▼3.06円
変わらず 129銘柄
騰落レシオ 89.33% ▼6.03%

日経平均

週末の手仕舞い売りやヘッジ売りがかさみ軟調

 米国株高や為替が円安に振れたことから買い先行となりました。ただ、米国での主要な経済指標の発表やG20を控えた週末ということもあり、寄り付きの買いが一巡した後は上値の重い展開となり、上値の重さが確認されると先物の仕掛け的な売りも出て軟調となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も売り越しと伝えられたことも手仕舞い売りやヘッジ売りを急がせる要因となったものと思います。中国市場が堅調となっても買戻しを急ぐこともなく軟調な地合いが続き安値圏で前場の取引を終了しました。

 後場も手仕舞い売りが先行、一段安の始まりとなりました。さすがに特に下値を売り叩くような材料もないことから、節目と見られる10100円台半ばでは下げ止まったのですが、買戻し意欲は鈍く、戻りかけては先物主導で売られるという状況が続き、指数は方向感のない展開となりました。少し戻れば手仕舞い売りが、少し下がれば買戻しが入るということで、軟調な展開が続きました。引け際には買戻しが入る場面もありましたが、戻り切らず軟調となりました。

 小型銘柄は軟調なものが目立ちました。東証マザーズ指数は大幅下落、二部株指数や日経ジャスダック平均も軟調となりました。先物は朝方からまとまった売り買いが見られましたが、まとまった買いよりも売りに追随するような動きが強く、指数を下押す要因となりました。目先筋が中心と見られ、方向感はなかったのですが、引け際にはまとまった買戻しも見られました。ただ、最後まで買い上がるということもなくヘッジ売りなどもかさんで結局は軟調となりました。

 ぎりぎりのところで下げ渋った感じですが10200円台半ばまで戻り切らなかったことで、ここからはしばらくは調整となる可能性も高くなったものと思います。来週はSQ(特別清算指数)算出を控え、再来週は日銀金融政策決定会合や大型連休を控え、そして連休後には米FOMC(公開市場委員会)を控えており、「出口戦略」が取りざたされるなかでは積極的に買う状況にはなり難いのではないかと思います。「業績相場」への移行はまだ先のことになると思われ、しばらくは下値を試す展開となるのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 遅行線が日々線を割り込み「逆転」となりました。何とか下値の節目である10100円台半ばから10200円台半ばで下げ渋りはしたのですが、いったん、雲のサポートを確認するような動きになるものと思います。週明けに大きく反発するようであれば、今日の逆転が「ダマシ」となるのですが、一気に300円近く上昇しなければならず、可能性は低いと思います。

TOPIX

NYダウ

 日経平均よりも下げがきつくなっています。遅行線は日々線を割り込み「逆転」となって節目と見られる水準を割り込んだことも確認されました。雲のサポートで下げ止まるのか、あるいは雲の下限まで下落となるのか、いずれにしても調整が長引きそうです。

円相場

NYダウ

 7月安値(1ドル=92円前後)まで下落となりました。この水準で底堅さがみられるのかどうかというところですが、RSIもストキャスティックスも底値圏にあり、いったんはこの水準で底堅さが見られ、下値を確認する動きになるものと思います。移動平均線や基準線との乖離も大きく、下値を売り叩き難いのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

週末の手仕舞い売りがかさみ総じて軟調

ファーストリテイ(9983) 10930 △130

 2010年8月期の連結経常利益が前期比推定9%増になる見通しとなると新聞で報じられ買い先行となりました。2009年8月期の業績も好調であったことから、好感され堅調となりましたが地合いの悪さに押され上値の重い展開となりました。

住友鉱(5713) 1468 △6

 米国市場で金価格が引き続き上昇していることを好感して買い先行となりました。昨日も大幅高となったことや週末ということで利益確定売りもかさみ上値も重くなりましたが、先高期待も強く、堅調となりました。

ホンダ(7267) 2885 △45

 円高一服となったことや米国株高に加え朝方発表された法人企業統計が好転していることなどから買い先行となりました。他の自動車株が軟調となるなかでも週末の手仕舞いの買戻しなどもあり堅調な展開が続きました。

SUMCO(3436) 1969 ▼96

 昨日年初来高値更新となっていたことから週末の手仕舞い売りに押されやすいところに、最先端ウエハーの生産能力を1割程度削減すると新聞で報じられたことから売りがかさみ大幅安となりました。

大日住薬(4506) 963 ▼62

 昨日は米国の製薬会社を買収と報じられて堅調となりましたが、その反動や外資系証券が投資判断を引き下げたことに加え、手仕舞い売りもかさんで売り気配で始まり、大幅安となりました。

三菱UFJ(8306) 553 ▼10 、 みずほ(8411) 210 ▼4

 週末のG20 財務省・中央銀行総裁会議で銀行の自己資本規制協などが話題に上る可能性があるとされたことに加え、民主党党首が昼に銀行規制に言及したことが伝えられて、両行を初め銀行株全般に軟調となり、相場全体の足を引っ張るような格好となりました。

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